ゴーストピルって何が原因で便の中に出てくるの?
ゴーストピルの一覧も知りたいな。
より効率的に薬を体内に取り込むために、徐放性製剤にしたことが一つの原因だよ。
便と一緒に出てきても特に心配いらないから安心してね。
こんな方におすすめ
- ゴーストピルが生じる原因や理由を知りたい人
- ゴーストピルが生じる医薬品を知りたい人
薬を飲んだ際に、便の中に錠剤や顆粒の抜け殻が一緒に出てくることがあります。
これをゴーストピルまたはゴーストタブレットと呼んでいます。
ゴーストピルが生じる原因として、より効率的に薬を体内に取り込むために、徐放性製剤にしたことが挙げられます。
便と一緒に出てきた場合特に影響はなく、薬はしっかりと体内に吸収されているので心配する必要はありません。
上記で簡潔に説明しましたが、今回はゴーストピルの一覧とゴーストピルが生じる原因と理由について説明します。
ココがポイント
- ゴーストピルまたはゴーストタブレットとは便の中に一緒に出てくる錠剤や顆粒の抜け殻のこと
- 薬の有効成分はほとんど吸収されているので心配しなくてOK
- 徐放性製剤で起こることが多い
- 潰したり、噛んだりすると徐放性が失われ、効果時間が短くなることや、短時間で有効成分が吸収されることで副作用が起きやすくなるなどの問題が起こることがある
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Contents
ゴーストピルとは?
この章ではゴーストピルについて説明します。
ゴーストピルとは
ゴーストピルとは、薬を飲んだ際に便の中に一緒に出てくる錠剤や顆粒の抜け殻のことを言います。
初めて見た人は薬がそのまま出てしまったと心配になる人が多いですが、心配は不要です。
ゴーストピルは一部の徐放性製剤で見られる現象で、薬の有効成分はほとんど吸収されています。
徐放性製剤とは、薬の成分が少しずつ長時間放出され続けるように加工された製剤のことです。
薬の抜け殻が便に出てきているだけであり、有効成分はほとんど吸収されているので効果に問題はありません。
しかし、激しい下痢などの症状がある場合は十分に薬が吸収されていないことがあるので注意しましょう。
いきなり便と一緒に錠剤が出てきたらびっくりするのは当たり前だよね。
ちゃんと患者さんに説明しておくことが重要だよ。
徐放性製剤の注意点
徐放性製剤はサイズが大きいものがありますが、飲むときに錠剤を潰したり、噛んだりしてはいけません。
潰したり、噛んだりすると徐放性が失われ、効果時間が短くなることや、短時間で有効成分が吸収されることで副作用が起きやすくなるなどの問題が起こることがあるからです。
せっかく工夫して作った薬を壊して飲んだら意味がないですよね。
水なしで服用した際にゴーストピルが出現する可能性が高くなると言われているので、多めの水で服用するようにしましょう。
せっかく工夫して作ったのに、潰したり噛んだりすると壊れてしまうからね。
もちろん粉砕もダメ。
▼粉砕してはいけない薬については以下の記事をご覧ください。
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砕いてはいけない薬・粉砕してはいけない薬の一覧【粉砕不可一覧】
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ゴーストピルが生じる原因と理由
この章ではゴーストピルが生じる原因と理由について説明します。
DDS(ドラッグデリバリーシステム)
薬はどれも見た目が同じですが、薬によって様々な工夫が施されています。
薬を長時間体内で効かせることができれば、飲む回数が減らせて患者さんのコンプライアンス向上に役立つのです。
例えば炎症が起こっている部位だけに作用することができれば、他の臓器へのダメージを減らせます。
以上のような問題を解決するためにDDS(ドラッグデリバリーシステム)の研究が盛んになりました。
DDS(ドラッグデリバリーシステム)とは、体内の薬物の分布を量的・空間的・時間的に制御し、コントロールする薬物伝達システムのことです。
上記で説明した徐放性製剤もそのうちの一つです。
より効果的に効かせるために様々な研究が行われているんだよ。
原因と理由
ゴーストピルは、薬の溶出時間を調節するなどの加工を施した徐放剤製剤が開発されるようになったことにより見られるようになりました。
ゴーストピルが生じる原因として、以下のことが考えられています。
徐放性製剤の中にはマトリックスと呼ばれる格子構造や、エチルセルロースなどの被膜で有効成分がコーティングされているものがあります。
有効成分が不溶性のマトリックス基剤や被膜などから放出されて、ほとんど吸収された後に賦形剤が吸収されずに殻だけが糞便中に排泄されるため、ゴーストピルが生じるのです。
イメージとしては有効成分の周りを溶けないカゴで囲い、カゴだけが糞便中に出てくるというものです。
溶けないカゴの中に有効成分が入っていて、カゴだけが便と一緒に出てくるんだね。
添付文書への記載
「本剤投与後に白色の残渣が糞便中に排泄される」
「白色の粒子が糞便中に排泄されるが、これは賦形剤の一部である」
などの記載があります。
先発品、ジェネリックどちらにも起こりうる現象です。
同一成分でもメーカーによって製剤方法が違う場合は発生しない場合もあります。
先発とジェネリックは成分は同じだけど、製剤の作り方が違うことがあるんだ。
だから、どちらか一方だけでゴーストピルが生じる可能性もあるよ。
ゴーストピル一覧
商品名 | 一般名 |
アサコール錠 | メサラジン |
インヴェガ錠 | パリペリドン |
オキシコンチン錠 | オキシコドン |
コンサータ錠 | メチルフェニデート |
**スローケー錠 | 塩化カリウム |
セレニカR錠 | パルプロ酸 |
セレニカR顆粒 | パルプロ酸 |
ツートラム錠 | トラマドール |
ディレグラ錠 | フェキソフェナジン プソイドエフェドリン |
テオドール顆粒 | テオフィリン |
デパケンR錠 | パルプロ酸 |
フェロ・グラデュメット錠 | 乾燥硫酸鉄 |
プロタノールS錠 | dl-イソプレナリン |
ペンタサ顆粒 | メサラジン |
ユニフィルLA錠 | テオフィリン |
リアルダ錠 | メサラジン |
ワントラム錠 | ドラマドール |
*先発品のみ 五十音順
**販売中止
疾患に特徴がある薬が多いね。
まとめ
今回はゴーストピルの一覧とゴーストピルが生じる原因と理由について説明してきました。
最後にもう一度ポイントをまとめます。
ココがポイント
- ゴーストピルまたはゴーストタブレットとは便の中に一緒に出てくる錠剤や顆粒の抜け殻のこと
- 薬の有効成分はほとんど吸収されているので心配しなくてOK
- 徐放性製剤で起こることが多い
- 潰したり、噛んだりすると徐放性が失われ、効果時間が短くなることや、短時間で有効成分が吸収されることで副作用が起きやすくなるなどの問題が起こることがある
ゴーストピルに関しては体内に影響はないので心配しなくてもいいのですが、冒頭でも述べた通り、投薬時にしっかりと患者さんに説明しないとほとんどの人が驚いたり、疑問に思ってしまいます。
そのためにはどの薬がゴーストピルになる可能性があるのかをしっかりと頭に入れておかなければなりません。
患者さんと薬剤師、双方、後々焦らないためにもゴーストピルが生じる恐れがある薬を覚えておきましょう。
薬と製剤の特徴を頭に入れておけば何となく覚えられると思うよ。
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