医薬品

薬による尿・便の色調変化一覧と着色(変色)する理由を徹底解説

2021/8/06(金)

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尿・便の色が変わる薬一覧

 

Mr.T

こんにちは。Mr.Tです。
今回は尿・便の色が変わる薬についてです。

 

薬による尿・便の色調変化。

 

風邪の処方でよく出るアスベリン。

この薬は代謝物の色が赤色で、尿が赤くなります。

このことを知らないと、排尿したときに患者さんは驚いてしまいます。

特に子どもにもよく出るアスベリンだと余計に

 

「自分の子供のおしっこが赤くなってしまった」

 

と驚いてしまう人も多いでしょう。

尿の色が赤色だと血尿と混同してしまう人もいるので、あらかじめ服薬指導時に説明しておくことが必要です。

 

尿の色の変化でわかる副作用は横紋筋融解症が有名です。

この副作用で起こる尿の色の変化は注意が必要ですが、代謝物や薬の成分の色による尿の変色は特に問題ありません。

 

今回は尿・便の色が変わる薬をまとめてみました。

 

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尿の色が変わる薬

尿の色商品名一般名
アスベリンチペピジン
セスデンチメピジウム
セフゾンセフジニル
赤褐色コムタンエンタカポン
暗赤色フラジールメトロニダゾール
紫赤~赤褐色ウインタミンクロルプロマジン
黄色フラビタンフラビンアデニンジヌクレオチド
ハイボンリボフラビン
ノイロビタンオクトチアミン
リボフラビン
ピリドキシン
シアノコバラミン
黄色~黄赤色サラゾピリンサラゾスルファピリジン
黄褐色又は赤色アローゼンセンナ・センナジツ
プルゼニドセンノシド
キネダックエパルレスタット
黄褐~茶褐色、緑、青ミノマイシンミノサイクリン
橙赤色リファジンリファンピシン
橙黄色アドナカルバゾクロム
珀色又は黄緑オダインフルタミド
ネオドパストンレボドパ
カルビドパ
メネシットレボドパ
カルビドパ
アルドメットメチルドパ
マドパーレボドパ
ベンセラシド
薄くなる利尿剤

 

便の色が変わる薬

便の色商品名一般名
セフゾンセフジニル
橙赤色リファジンリファンピシン
インクレミン溶性ピロリン酸第二鉄
フェロミアクエン酸第一鉄ナトリウム製剤
フェルムフマル酸第一鉄カプセル
フェロ・グラデュメット硫酸鉄
次硝酸ビスマス次硝酸ビスマス
フラジールメトロニダゾール
灰白色バリウム類硫酸バリウム
白色の残渣デパケンR
セレニカR
バルプロ酸ナトリウム
ペンタサメサラジン

 

白色の残渣はゴーストピル(ゴーストタブレット)とも呼ばれます。

 

ゴーストピル一覧についての記事はこちらから

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【ゴーストピル一覧】ゴーストピルが生じる原因と理由について徹底解説
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添付文書、インタビューフォームの記載

尿

商品名添付文書、インタビューフォームの記載
アスベリン本剤の代謝物により、赤味がかった着色尿がみられることがある。
アドナだいだい黄色がかった着色尿があらわれることがある。
アルドメット本剤投与中の患者の尿を放置すると、メチルドパ又はその代謝物が分解され、尿が黒変することがある。
アローゼン本剤の投与により、尿が黄褐色又は赤色を呈することがある。
ウインタミン(1)尿検査
尿色調変化(紫赤~赤褐色)を起こすことがある
オダイン本剤の投与により尿が琥珀色又は黄緑色を呈することがある。
キネダック本剤の投与により、黄褐色又は赤色の着色尿があらわれることがある。本剤及び代謝物の影響による
コムタン本剤又は本剤の代謝物により尿が赤褐色に着色することがある。
サラゾピリン本剤の成分により皮膚、爪及び尿・汗等の体液が黄色〜黄赤色に着色することがある。また、ソフトコンタクトレンズが着色することがある。
セスデン本剤の代謝物により、赤味がかった着色尿があらわれることがあるので、ウロビリノーゲン等の尿検査には注意すること。
セフゾン尿が赤色調を呈することがある。
ネオドパストン汗・尿・便等の変色(黒色等)
ノイロビタン12.臨床検査結果に及ぼす影響
尿を黄変させ、臨床検査値に影響を与えることがある。[ビタミン B2による。]
ハイボン12.臨床検査結果に及ぼす影響
尿を黄変させ、臨床検査値に影響を与えることがある。
フラジールその他の副作用
フラビタン12.臨床検査結果に及ぼす影響
尿を黄変させ、臨床検査値に影響を与えることがある。
プルゼニド4)着色尿
主成分のセンノシド及びその代謝物のアントラキノン誘導体とアルカリ尿の反応により、尿が黄褐色~赤色に着色するといわれている。この反応は、アントラキノン骨格を有する薬剤の未変化体の尿中排泄により着色するものと考えられている。
マドパー唾液・痰・口腔内粘膜・汗・尿・便等の変色(黒色等
ミノマイシン本剤の投与により尿が黄褐~茶褐色、緑、青に変色したという報告がある。
メネシット唾液・尿・汗の変色(黒色等
利尿剤尿量の増加
リファジン尿、便、唾液、痰、汗、涙液がリファンピシン及びその代謝物により橙赤色等に着色する。なお、血清も同様の着色を示す。また、ソフトコンタクトレンズが変色することもある。

 

便

商品名添付文書、インタビューフォームの記載
インクレミン本剤の投与により、一過性に便が黒色を呈することがある。
次硝酸ビスマス本剤の服用によって便の色が黒くなることがある。[ビスマスが黒色の硫化ビスマスになるため。]
セフゾン粉ミルク、経腸栄養剤など鉄添加製品との併用により、便が赤色調を呈することがある。
デパケンR
セレニカR
本剤の白色の残渣が糞便中に排泄される。
バリウム類本剤は白色粉末である。
硫酸バリウムは、消化管で吸収・代謝されず、消化管を通じて糞便と共に排泄される
フェルム本剤の投与により便が黒色を呈することがある。
フェロ・グラデュメット本剤の投与により便が黒色を呈することがある。
フェロミア本剤の投与により便が黒色を呈することがある。
フラジールその他の副作用
ペンタサ本剤のコーティング剤のエチルセルロースは水に不溶のため、糞便中に白いものがみられることがある
リファジン尿、便、唾液、痰、汗、涙液がリファンピシン及びその代謝物により橙赤色等に着色する。なお、血清も同様の着色を示す。また、ソフトコンタクトレンズが変色することもある。

 

フェロミアとフェロ・グラデュメットの違いについての記事はこちらから

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まとめ

上記でも述べましたが、服薬指導時にきちんと患者さんに伝えておかないと驚いてしまいます。

服用して色が変わってしまう可能性がある薬に関しては必ず伝えておきましょう。

 

また、色が変わったときに副作用ですぐに報告しなければならないのか、放っておいていいものなのか伝えることも重要です。

指導忘れのため後で電話がかかってくる事例が多いので、今回紹介した薬を頭に入れ、服薬指導時に活かしましょう。

 

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  1. 各種添付文書

  2. 極める! 小児の服薬指導

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