ドラッグストア

ドラッグストア薬剤師の教育プログラムの現状と課題について徹底解説

2021/9/16(木)

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ドラッグストア・教育

 

Mr.T

こんにちは。Mr.Tです。
今回はドラッグストア薬剤師の教育プログラムの現状と課題についてです。

 

ドラッグストア薬剤師の教育。

 

新卒や中途で社員として入社してきた薬剤師はほぼ全員「教育」を受けます。

パートや中途で即戦力として期待されて入ってきた人は経験があるので会社のやり方だけ教えれば問題ないのですが、調剤未経験でゼロから教育するとなると大変な労力と時間が必要です。

 

薬剤師は大きくわけると病院、調剤薬局、ドラッグストアの3種類で調剤する機会がありますが、同じ会社の系列で店舗によって働き方が大きく変わるのがドラッグストアだと思います。

 

病院や調剤薬局でも同じ系列やチェーン店が存在し、異動などがありますが極端にやることは変わらないでしょう。

 

ドラッグストアだと調剤薬局の有無や月の処方箋枚数によって働き方が異なります。

事務無し一人薬剤師と大人数で働く薬局では同じ調剤でも仕事の仕方が全く異なるのです。

 

また、管理薬剤師なのか、応援薬剤師なのかでも仕事の仕方が変わってきます。

 

このように働き方が全く違ってくるのにもかかわらず、適した教育がなされているかどうかドラッグストアの教育に関して疑問を持ったので、今回はドラッグストア薬剤師の教育の現状と課題について説明します。

 

あくまでもMr.Tがいる会社での話ですので、他の会社のやり方には詳しくないのでご了承を。

 

店舗、上司ガチャの運

これが一番ですね。

処方箋枚数の有無にかかわらず、店舗や上司がダメダメだと教育は不可能です。

 

教育できる店舗を選択するのがエリアマネージャーなど上司の仕事なのですが、頻繁に上司が変わる会社ではどこが最適なのか判断ができません。

取り敢えず人件費に余裕がある大きめの店舗に新人が配属されることが多く、きちんと教育できているのかも謎です。

 

忙しい店舗では教育に時間を割くことがあまりできないので、放置時間が多くなったり、取り敢えずピッキングというような形がどうしても多くなってしまいます。

 

頻繁に変わる上司

上記でも記しましたが、上司が頻繁に変わると部下である薬剤師をよく見ることができません。

薬剤師個々によっても適性が異なります。

 

一人薬剤師で活躍するタイプなのか、大人数でバリバリ薬局を回すタイプなのか、様々な個性があります。

一番近くて見ている管理薬剤師や教育担当の薬剤師が適性を見分けてあげるのが仕事ですが、上司が頻繁に変更になるとゆっくり話す時間もなく、話してもすぐに上司が交代となる恐れがあります。

 

教育を受ける社員も誰について行けばいいのかわからなくなります。

 

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【管理薬剤師】 管理薬剤師の仕事内容、メリット・デメリットについて徹底解説

 

将来のビジョンを考えない上司、会社

現在、ドラッグストア業界は好調です。

どんどん売り上げを伸ばし、全国に展開していく会社が多いです。

ここで問題になってくるのが人手不足。

薬剤師も実質、足りていないというのが現状です。
(都会と地方では状況が全く違いますが、地方の方がより薬剤師不足が深刻です。)

 

取り敢えず現状を何とかしないといけないという気持ちが強く、新人の将来のビジョンを全く考えていない上司が非常に多いです。

管理薬剤師として育てたいのか、応援に回したいのか、キャリアアップを重ねたいのか、本部へ行かせたいのか…など、本人の希望もあると思いますが、ある程度のビジョンは必要だと思っています。

 

数年後、数十年後は誰にもわかりませんが、半年後、1年後のビジョンを全く持っていない上司は問題外だと思いますし、そのような上司がいることは事実です。

 

いきなり一人薬剤師は無理

どんな薬剤師でも処方箋枚数が多い薬局にいきなり配属されても何とかなります。

動きはぎこちなくてもピッキングなどの調剤、投薬などやることは変わりませんし、人数が多いほど忙しいですが仕事の幅は狭まります。

 

逆にいきなり一人薬剤師で薬局を回すのは非常に難しいです。

 

処方箋枚数が少ないので一人薬剤師で回しているのですが、仕事の幅が広がってしまいます。

受付、処方入力、一人で調剤・監査、OTCの販売・接客、売り場作り…などなど。

このいきなり一人薬剤師というパターンが新人で一番かわいそうなパターンだと思います。

 

一人薬剤師は慣れてしまえば非常に楽です。

自分でやり方を決められ、周りに気を使わなくてもよく、嫌な患者は切ってしまえるし、メリットが多々あります。

しかし、慣れるまではとても苦労しますし、やることが多くてテキパキ動かないとすべての仕事が中途半端になってしまいます。

絶対に間違えてはダメというプレッシャーも強く、一人薬剤師の適性が無いと潰れてしまいます。

 

実際に一人薬剤師で潰れてしまった人を数多く見てきました。

 

「枚数少ないから楽なんでしょ?」

 

というのは完全な偏見であり、一人薬剤師の経験をしたことが無い人や大変さを知らない人の妄言です。

だからこそ一人薬剤師としての教育、経験が重要となってくるのであり、いきなり一人薬剤師は無理なのです。

 

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本人の負担が大きい

ドラッグストアの薬剤師は異動がとても多いです。

店舗がたくさんあり、同じエリアの中で毎日違う店舗で勤務している人もいます。

 

このように管理薬剤師ではなく、一つの店舗に常駐していない薬剤師を応援薬剤師と呼んでいます。

週5で毎日違う店舗で応援薬剤師として働くこともあります。

大変ですが慣れてしまえば問題はありません。

 

しかし、新人に毎日違う店舗というのは負担が大きいです。

経験値を積ませたいという明らかな意図があれば文句はないですが、どうしても人手不足の為、しょうがなくピッキングのような簡単な仕事要因でというのが多いのが現状です。

 

最初はゆっくりと教えてあげることも重要だと思います。

 

たった数ヶ月で調剤の基礎(保険やレセコンも含む)、一人薬剤師や複数薬剤師の立ち回りをすべて教えるのは非常に難しいです。

 

経験値を稼がせる気ある?

どんなに教育を頑張って口頭や身振り手振りで教えても、一回の実践には敵いません。

一人薬剤師の大変さ、立ち回りを時間をかけて教えるより、実際に一人でやってもらった方が上達のスピードは圧倒的に早いです。

処方箋枚数によって立ち回りややり方は全く違ってきます。

 

  • 受付から投薬まで一人ですべて完結させる
  • ピッキング、投薬などの調剤のみ
  • 状況を見ながら受付やレセコンを入力し、調剤も行う

 

など、様々な立ち回りのケースがあります。

実際にやってみると大変さがわかります。

 

経験できる店舗があるのであれば経験させてあげるべきだと思ってます。

しかし、人手不足や現状しか考えていない上司はこのような経験値を稼がせることを考えていません。

将来的なことを考えると新人の時に様々な経験をさせてあげた方がいいです。

 

現場を知らない教育本部

教育を現場に任せるのは当たり前だと思います。

本部は現場を知りませんから。

だからこそ、口を挟まないで欲しいと思うのですね。

任せるなら完全に任せてほしい。

 

本部から送られてくる課題や宿題が現場に役に立たない知識が多く、新人の負担にしかなっていないことが多いのです。

課題や宿題も業務中に行って提出しなければならないので、薬局の中では正直迷惑でしかありません。

 

「勉強するぐらいなら調剤しろよ」

 

というのが本音です。

 

しかし、仕事の一環ですし、本部からの指示なので逆らえません。

 

完全に現場に任せるのが不安なのは承知です。

人によってやり方が違うのだからしょうがないです。

 

しかし、本部から、現場から、または上司から色々と指示を受けたり教育されるとどれを信じればいいのか混乱する可能性が高いです。

 

Mr.Tが新人の時は本部からの課題とかはなかったので自分が好きなように自己学習していましたが、自分で勉強しない人もいるので課題を出すのはしょうがないとも思います。

このような現場と本部の考えの違いという問題は解決することが非常に難しいです。

 

Mr.Tの教育課程

どのような教育課程をたどればいいか正解はありません。

しかし、Mr.Tは処方箋枚数が少ない店舗から始まり、月間3000枚を超す店舗にも配属されたことがあり、様々な店舗の立ち回りを経験することができました。

 

もちろん、今でも管理業務をやりながら調剤をし、処方箋の受付やレセコン入力、レセプト請求、OTCの接客までバリバリこなしています。

ここまでできるようになったのは上司ガチャであたりを引いたからだと思います。

先を考えて様々な経験をさせてくれる機会を与えてくれた上司に感謝です。

 

それ以降の上司ガチャはほとんどハズレでしたが…

最初で運を使い果たしたかな。

Mr.Tの新人の配属店舗での教育課程を紹介します。

 

もっと詳しく

 

一店舗目

主にドラッグストアの仕事内容を学びました。

調剤室にはまだ入れません。

最後の1ヶ月は月間300枚ぐらいの調剤室に入れてもらい、調剤の基礎を学びました。

 

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二店舗目

主に調剤の基礎を学びました。

月間150枚ぐらいの店舗で調剤の基礎や一人薬剤師の立ち回りを教わりました。

その間、OTCなども積極的にこなします。

主に上司の下についての仕事ですが、上司の休憩時間などは一人で薬局を回すことになります。

 

三店舗目

月間3000枚の店舗で薬剤師として調剤の経験を積みました。

月間150枚程度では薬剤師としての知識やスキルが身につかないので、とにかく枚数をこなすということで月間3000枚クラスの店舗に配属されました。

ここで複数薬剤師の薬局ではどのように立ち回ればいいのかを経験しました。

 

四店舗目

応援薬剤師として掛け持ちだったのですが、月間100枚程度事務無し完全一人薬剤師の店舗の応援薬剤師になりました。

完全な一人なので受付から投薬まですべてこなさなければなりません。

当然、わからなくても聞くことができる人はそばにいません。

まあ、電話で聞くことはできますが。

 

 

ここで教育期間は終了です。

教育期間の間に上記の店舗以外に応援に駆り出され、「一人薬剤師で薬局を守ってろ!」と指示を受けていました。

 

上記で説明した期間は半年もありません。

この短い期間で様々な店舗の経験をさせてもらいました。

 

一人薬剤師がこなせるようになれば、どこへ行っても無難に仕事をこなせます。

逆に複数薬剤師から一人薬剤師は難しいです。

いきなりレセコン入力しろというのは厳しいですからね。

 

様々な店舗を経験させてもらったおかげで教育期間以降、どのような店舗に異動させられても無難に仕事をこなせるようになりました。

これから入社してくる新人・中途社員にも同じように様々な経験をさせてあげたいと思うのですが、なかなか上司と意見があわず、中途半端な形になってしまうことが多いです。

 

 

まとめ

あくまで一例で、Mr.Tの経験談と独断と偏見の意見ですが、共感できる点もあったのではないでしょうか。

人には様々なタイプがあるので絶対に当てはまる法則はないのですが、やはり教育する側がきちんと見てあげないと先に繋がらないと思っています。

 

しっかりとした教育者の下で教育・経験を積ませ、ビジョンを持って取り組んでいかないと会社の為にも、教育される人の為にも、自分の為にもならないと思うのですが、この記事を最後まで読んでくれた人はどう思っているでしょうか?

 

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