こんにちは。Mr.Tです。
今回は保湿剤の効果的な使い方についてです。
ヒルドイド。
保湿剤はお風呂上りに塗るのが効果的です。
Mr.Tも患者さんに保湿剤の説明をするときは
「お風呂上りに最低1回は塗ってください。」
と説明します。
患者さんからは
「何分までに保湿剤を塗り終わればいいのか」
という質問をよくされます。
お風呂上りは急激に水分が蒸発・拡散し、すぐに乾燥してしまいます。
お子さんがいる世のお母さん、お父さんたちは自分に加えて子どもさんにも保湿剤を塗らなくてはいけないため、どうしても時間がかかってしまいます。
今回は保湿剤の効果的な使い方ついて説明していきたいと思います。
お風呂上り30分以内を目安に
お風呂上りにすぐに塗るように指導を受ける患者さんも多いと思いますが、お風呂上りの1分後と30分後では大きな差はなかったという報告があります。
子どもさんを塗ってから自分の分を塗っても30分あれば塗り終えることができると思います。
早ければ早いに超したことはありませんが、時間を意識しすぎて塗り方が適当になってしまっては最大限の効果を発揮することができないので、慌てずゆっくりと丁寧に塗りましょう。
1日2回、入浴直後が効果的
保湿剤は1日1回よりも1日2回の方が効果的です。
そのうち1回はお風呂上りに塗りましょう。
発汗やほてりが治まった時点ですぐに保湿剤を使うのが効果的です。
効果的な塗り方
保湿剤は薄く伸ばしてしまうと十分な効果が得られません。
ケチってしまうとせっかくの薬の効果が得られなくなってしまうので多めに使いましょう。
塗布した後の肌にティッシュが付着するぐらいが目安です。
finger tip unit
finger tip unit(FTU)という指標があります。
これは、成人の人差し指の先端から第一関節部まで、外用剤をチューブから押し出した量(1FTU = 約0.5g)が、手のひら2枚分の面積に対する適量というものです。
あくまで目安ですが、体の各部位にどれぐらいの量が必要なのか、以下に示します。
必要なFTUの量(1.0FTU = 0.5g換算) | |||||
成人 | 6~10歳 | 3~5歳 | 1~2歳 | 1歳未満 | |
顔・首 | 2.5 | 2.0 | 1.5 | 1.5 | 1.0 |
腹 | 6.7 | 3.5 | 3.0 | 2.0 | 1.0 |
背中 | 6.8 | 5.0 | 3.5 | 3.0 | 1.5 |
腕 | 3.3 | 2.5 | 2.0 | 1.5 | 1.0 |
手 | 1.2 | ||||
脚 | 5.8 | 4.5 | 3.0 | 2.0 | 1.5 |
足 | 1.8 |
ヒルドイドが大人気
処方薬では保湿剤は圧倒的にヒルドイド(一般名:ヘパリン類似物質)が処方されます。
効果が高くて使いやすいため、子どもから高齢者まで幅広く使われています。
ヒルドイドは処方箋がないと手に入れることができませんが、現在ではOTCでも販売されています。
まとめ
ココがポイント
- お風呂上り30分以内に塗ればOK
- 1日2回、その内の1回はお風呂上り
- 塗った後、ティッシュが付着する量を使う
- 1FTUで手のひら2枚分
- OTCでヒルドイドは手に入る
もったいないからと言って少ない量で済ませようとする人が多いです。
説明してきたように、量が少ないと効果を最大限に発揮することができません。
1FTUで手のひら2枚分、塗った後にティッシュが付着するぐらい、多めに使いましょう。
また、お風呂上りに塗るのが最適ですが、急いで塗る必要はありません。
急いで塗って雑になる方が困ります。
そのような塗り方をすると、どんな薬を使っても効果が発揮できません。
薬の効果を最大限に発揮させるためにも、今回の内容を頭に入れて保湿剤を使うようにしましょう。
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