薬局・薬剤師

一人薬剤師のメリット・デメリットについて徹底解説【ワンオペ】

2020/11/25(水)

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Mr.T
こんにちは。Mr.Tです。
今回は一人薬剤師についてです。

 

一人薬剤師、ワンオペ薬剤師。

 

処方箋枚数が少ない薬局では薬剤師一人で薬局を回しています。

調剤事務の有無も処方箋枚数によって決められます。

調剤事務がいない薬局は受付から投薬まですべて一人でこなさなければなりません。

 

はっきり言って完全な一人はかなりキツイです。

 

1ヶ月の処方箋枚数が少ない店舗の管理薬剤師だとレセコンの入力はもちろん、レセプトや備品の管理、その他の雑務も一人でこなさなければなりません。

その他、ドラッグストアの薬剤師だとOTC(市販薬)の接客や売り場づくり、発注、電話対応など仕事は山のようにあります。

 

一人ですべて仕事をこなすことはかなりハードですが、一人薬剤師のメリットもあります。

一人薬剤師の仕事のコツとメリット・デメリットを知っておき、トラブルの対処法を事前に理解しておけばそこまで怖がる必要はありません。

 

今回は調剤にポイントをしぼり、一人薬剤師のコツ、メリット・デメリットについて解説していきます。

 

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一人薬剤師のメリット

一人薬剤師のメリット

  • 人間関係に悩まなくていい
  • 調剤薬局全体の仕事の内容が把握できる
  • 他の薬剤師の目を気にせず、自由に調剤できる
  • 会社によっては複数薬剤師の店舗より給料が高い 
  • スキルアップには最適
  • 患者との距離が近くなる
  • 人間関係に悩まなくていい

 

人間関係に悩まなくていい

一人ですべての業務を行うので他の人はいません。

当然ですね。

 

口うるさい上司やできの悪い部下もいないため自由に仕事ができます。

 

自分が王様であり、調剤室が自分の城です。

自分のやり方に口を出されることもなく、自由に調剤ができます。

 

調剤薬局全体の仕事の内容が把握できる

病院薬剤師、薬局薬剤師、ドラッグストアの薬剤師もそうですが、ほとんどの薬剤師はレセコン入力やレセプトができません。

なぜなら事務さんがやってくれるからです。

 

一人薬剤師だとすべて行わなければならないで、調剤全体の流れがすべてわかります。

在庫管理や備品管理、調剤報酬などの数値管理も行うので薬局を経営するという視点も身につきます。

 

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他の薬剤師の目を気にせず、自由に調剤できる

人によって調剤や管理の仕方が違うので、他人から指摘されることなく些細なことでイライラしません。

錠剤の端数をどうするとか、一包化はこうするとかの細かいルールは自分で決めてOKです。

 

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会社によっては複数薬剤師の店舗より給料が高い

Mr.Tの会社は一律同じです・・・

 

スキルアップには最適

調剤薬局の流れの把握だけでなく、直面した問題に対してすべて一人で解決しなければならないため、スキルがかなり上がります。

わからないことをすぐに他の人に聞けるような環境ではないので、自分で考えて解決しなければいけません。

自分で解決した方が人に聞くより記憶に残るのでレベルアップの速度が全然違います。

 

患者との距離が近い

すべての患者さんを自分一人で対応するので、患者さんとの距離が近くなります。

時間があればゆっくり会話することができ、深く患者のことを知り、加算やかかりつけ算定、地域支援体制加算なども取りやすくなります。

 

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一人薬剤師のデメリット

一人薬剤師のデメリット

  • 調剤業務をすべて一人で行うのが大変
  • 調剤過誤のリスクが高く、かなりのプレッシャーを感じる 
  • 混んでしまうと患者を待たせてしまう
  • 休憩時間がとりずらい
  • 休暇もとりずらい
  • パニックを起こすとすべてが終わる

 

調剤業務をすべて一人で行うのが大変

受付から投薬まですべて一人でこなすのはかなり大変です。

やることが多く、段取りをすべて理解してスムーズにできるようにならないと一人で調剤することはできません。

受付から投薬までの流れをしっかりと理解しましょう。

 

一つ一つの作業を細分化し、理解することで流れがスムーズになります。

最初はゆっくりでいいので一つ一つ丁寧に行いましょう。

 

慣れてくると考えなくても体が動くようになるので、反射のレベルまでもっていくことが重要です。

 

イメージとしては「点から線へ」です。

 

最初はぎこちなくても経験を積むことによりどんどんスピードが上がってきます。 Mr.Tが実践している細分化の例を挙げていきます。

 

受付

  • 処方箋を受け取る
  • 何枚持ってきたかを確認する(以下余白の記載を確認)
  • 保険証の確認
  • お薬手帳の確認
  • 処方箋の記載チェック(期限や押印など)
  • お薬手帳を見ながら残薬チェック、軽い処方監査
  • 前回と処方内容に変わりがあるか確認、患者にも確認
  • 新患・再来、薬の在庫を確認
  • 待ち時間を伝える

 

入力

  • レセコンに入力していく
  • 前回と患者情報が変わっていないかを確認(保険者番号、氏名など)
  • 入力しながら処方監査(入力しながら添付文書を見る)

 

入力監査

  • 患者に渡すプリント類をプリンターが印刷している隙に、処方箋と入力したものを監査する

 

調剤業務

  • 薬歴などを参考にして処方監査を行う
  • 薬袋や薬情などにハンコを押したり、袋に入れたりなどの準備をする
  • ピッキングする数や散剤、シロップなどの計算をし、調剤業務に取りかかる

 

最終監査

  • 調剤したものを最終監査する(併用禁忌や数の確認、散剤の重量やシロップの全量、一回量など)
  • 薬歴やお薬手帳を参考にして併用禁忌や重複投与などを最終確認
  • 薬歴から今回の投薬のプランを考える
  • 薬・プリント類をかごに入れて投薬しやすいように並び替える

 

投薬

  • 患者と薬の確認をする(数量や前回との違いなど)
  • 新規の薬、変更になった薬の説明
  • 患者の体調や不安点の聞き取り
  • 質問に対する指導など

 

レジ

  • 現金、クレジットカード、電子マネー、モバイル決済など、すべての支払い方法に対応できるように勉強しておく

 

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袋詰め

  • レジ袋・マイバックなどに薬やプリント類を入れる
  • 渡し漏れがないように患者と相互確認をする

 

投薬終了

  • 「お大事にどうぞ」などの言葉をかけ、かごの中身を見て渡し忘れ、渡してはいけないもの(処方箋、薬歴など)を渡していないか再確認をする

 

 

以上のことをMr.Tは毎日実践しています。

無意識のレベルまで落とし込んでいるので、実際にはここで書いていないことも色々と行っているかもしれません。

 

文章で書くと長くて項目がたくさんありますが、慣れてしまえば無意識にこなせるようになります。

 

経験を積むと「点から線へ」の意味が理解できてくると思います。

 

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調剤過誤のリスクが高く、かなりのプレッシャーを感じる

併用禁忌や処方量の確認、正確なピッキングなどをすべて一人で行わなければなりません

他の人に監査してもらうことができないので、全責任を自分で負うことになります

調剤ミスに気付いてくれる人は自分しかいません。

 

調剤過誤の対策としては以下のことを実践しています

 

知らない薬は添付文書を見てから調剤する

初めての薬、自信のない薬などは絶対に添付文書などで確認しなければいけません。

 

きちんと計算してから調剤する

レセコンが勝手に計算してくれますが、入力を間違っている可能性もあります。

粉やシロップなど、0が一つ多いだけで10倍量になってしまいます。

 

重大な事故が起こってからでは遅いのです。

 

計算する癖をつけましょう。

 

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スピードを意識せず、患者に待ってもらうことを前提に調剤する

いくらスピードを上げようと思っても限界があります。

自分がどれくらいのスピードでできるのか、自分の能力を客観的に見てみましょう。

 

ピッキングをした場所と最終監査の場所を変える

景色を変えることで気づかなかったことに気づくことがあります。

 

監査台の上は常に整理整頓をし、余計なものは置かない

余計なものがあると気が散り、集中力がそがれます。

人間は見ていなくても視界に入っているものは脳が認識してしまうので、余計なものが視界にあるとミスのもとです。

 

監査台の上、もしくは近くに数字関係の資料などを置かない

上記でも書いた通り、視界に入っているものは脳が認識してしまうため、薬の数を確認しているときに他の数字が視界の中にあるとミスのもとになります。

 

混んでしまうと患者を待たせてしまう

これははっきり言ってしょうがないです。

一人でこなせる仕事量には限界があります。

しかし、受付時に目安の待ち時間や時間がかかる理由をお伝えすることでクレームは減ります。

 

患者さんは待たされていることに怒っているのではありません。

なぜこんなに待たされるのか理由がわからず、あとどれぐらい待てばいいのかゴールが見えないから怒っているのです。

受付時にどれぐらい時間がかかるのかを判断し、自分ができる能力より多めの時間を伝えるようにしましょう

 

伝えた時間より遅ければ患者さんは不満を持ちますが、早ければ怒ることはありません。

むしろ待ち時間が減ってラッキーだと喜ぶでしょう。

 

薬の数が多かったり、粉やシロップで時間がかかるようであればできたら電話をする、お届けをする、配送するなどの選択肢もあります。

 

休憩時間がとりずらい

薬剤師の休憩時間に薬局を閉めている店舗であれば休憩をしっかりと取れますが、開いている店舗だと患者さんが来る度に休憩時間に呼び出されることになります。

患者さんは薬剤師の休憩時間など知りません。

 

Mr.T
お昼にカップラーメンは食べれません…

 

会社にかけあって薬局を閉めるという手もあります。

最近は13:00~14:00の間は薬局だけ閉局しているドラッグストアも見られるようになりました。

薬剤師のお昼休憩の時間だと思われます。

働き方改革の流れに乗っているのでしょう。

 

1時間の休憩をとるのは義務です。

しっかりと取れないのであれば上司、会社に相談するべきです。

ダメなら労働基準監督署行きですね。

 

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休暇もとりずらい

自分が休んだら薬局は営業できません。

他に入ってくれる薬剤師がいれば休暇をもらえますが、薬剤師が足りないと言われている現在、そう簡単に会社は休暇を取らせてくれないことが多いと思います。

 

Mr.Tの会社は他の薬剤師のシフト次第です。

有給をまったく使えないということはありませんが、「●曜日に休みが欲しい」と言っても、取れないことが多いです。

 

あらかじめ上司に「ここは休みたい」と言っておくと改善されることがあります。

さすがに直前に言っても難しいですが、前もって相談しておくと上司もシフトを調整してくれるでしょう。

 

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パニックを起こすとすべてが終わる

一人薬剤師を嫌がる理由は誰も助けてくれないことだと思います。

 

  • 患者がたくさん来てしまう
  • プリンターの紙切れやインク切れ
  • 電話が鳴り、FAXが届く
  • OTCで呼ばれる
  • 分包機の故障

 

などなど…

いつ、どのようなトラブルが起こるかはわかりません。

 

Mr.Tは一人の時に、以上の5つのトラブルが一遍に起こったことがありました。

どれから手をつけていいかわからず、パニックになりかけました…

 

冷静になって一つ一つ対処できればいいのですが、本当にパニックに陥ってしまい、何もできくなってしまう薬剤師も多数います。

事前にどのようなトラブルが予想され、どのように対処していくかを考えておくことが重要です。

以下に例を挙げます。

 

  • 機械系のトラブルはどうすればいいのか?
  • 備品類の場所を確認
  • 患者がたくさん来たらどうする?
  • 忙しかったら電話は出ないと決めておく
  • 調剤中にOTCの接客に呼ばれたら、待ってもらうか登録販売者を呼ぶ
  • よく出る薬の場所は覚えてしまう
  • 面倒な患者やクレーマーなどがいつ来るか予想しておき、対処方法も考えておく

 

以上のこと以外にもたくさんの起こりうるトラブルがあると思います。

上記に挙げたのはあくまで一例です。

 

トラブルに遭ってしまったらその都度解決策を考え、次回から生かせるようにしていけば自然とレベルが上がり、トラブルに動じなくなっていきます。

 

対処方法を知っているということが強みになるのです。

 

まとめ

以上、一人薬剤師のコツ、メリット・デメリットについて説明してきました。

薬剤師として単純なスキルやレベルアップを目指すのであれば一人薬剤師はオススメです。

 

一人薬剤師で薬局を回すコツははっきり言って「慣れ」です。

数をこなすことによって様々な状況に対応できるようになります。

しかし、人によってタイプが違うので、一人薬剤師に適性があるかどうかは上司がきちんと見分けてあげる必要があると思っています。

 

一人薬剤師のプレッシャーや大変さから体調を壊してつぶれてしまったり、やめていってしまった薬剤師を数多く見てきています。

それほどキツイ仕事であるとMr.Tは思っています。

 

処方箋枚数が少ないので楽な仕事と思われがちですが、そんなことはありません。

経験してみるとわかりますが、一人ですべてこなすのはかなり大変であり、受付やレセコン入力できる薬剤師は少ないです。

逆に一人薬剤師をそつなくこなせるようになれば、どこの店舗に行っても通用する薬剤師になることができます。

 

最初はみんな不安だと思いますが、慣れてくると気楽で楽しさを感じることもありますよ。

 

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