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妊娠中のアルコール・タバコ・カフェインはダメ? 妊娠と嗜好品の関係について徹底解説

2020/12/30(水)

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Mr.T

こんにちは。Mr.Tです。
今回は妊娠と嗜好品の関係についてです。

 

妊娠と嗜好品。

 

仕事終わりの飲み会、ストレス解消のための喫煙、食後の一杯。

現代の生活の嗜好品としてはかかせないラインナップです。

アルコール・タバコ・カフェインは一般的には妊娠中は禁止するように指導されることが多いです。

これらを摂取することで何が起こってしまうのでしょうか?

今回は妊娠中のアルコール・タバコ・カフェインなどの嗜好品の関係について説明していきます。

 

アルコール

アルコールは容易に胎盤を通過して胎児に移行してしまうので、妊娠中のアルコールは控えるべきです。

 

アルコールによる胎児への影響

  • 胎児性アルコール症候群 
  • 早産児、低出生体重児
  • 流産、死産  など

 

胎児性アルコール症候群とは?

胎内及び出産後の発育遅延、頭蓋形成不全、顔面の奇形、心奇形、行動障害、中枢神経系の異常などが特徴です。

特に中枢神経系の障害は終生問題となってしまいます。

胎児性アルコール症候群がなぜ発症するのか、詳しいメカニズムはまだ解明されていませんが、アルコール依存による栄養不良や代謝障害、アルコールの代謝物であるアセトアルデヒドなどの影響の他、妊婦の素因や生活環境などが総合的に関与しているものと考えられています。

 

アルコール摂取量と胎児への影響については、これ以下であれば胎児に影響がないという安全量は確立されていないので、少量だからOKという考えは捨てましょう。

 

タバコ

タバコの煙には様々な有害物質が含まれています。

中には発がん性がわかっているものも含まれています。

 

また、母体のみならず胎児に対しても影響を及ぼすものが多く含まれていることがわかっています。

 

喫煙による胎児への影響

  • 子宮及び胎盤の血管収縮作用(ニコチンによる)
  • 組織低酸素状態(一酸化炭素による)
  • アレルギー疾患の発症に関与
  • 乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクが非喫煙時に比べて5倍 
  • 子宮内胎児発育遅延
  • 早期胎盤剥離、前置胎盤
  • 自然流産、死産、早産
  • 早期破水
  • 羊膜炎の罹患率増加  など

 

喫煙と催奇形性との関連について完全には証明されていませんが、妊娠中の喫煙により、子宮内胎児発育遅延、無脳症、先天性心疾患、口唇口蓋症、多指症の頻度が高いとの報告があるので、妊娠中の喫煙は避けましょう。  

 

カフェイン

カフェインが入っているものの代表格はコーヒーですが、紅茶や緑茶、コーラなどにもカフェインは含まれています。

適量であれば精神的・身体的に仕事効率を高め、疲労を除き、眠気を防ぐ作用がありますが、大量に摂取すると不安・興奮・不眠・幻覚・ふるえ・不整脈などが起こることがあります。

母体のみならず胎児に対しても影響を及ぼす可能性があると考えられています。

 

喫煙による胎児への影響

  • 突発性流産
  • 発育遅延
  • 不妊症  など 

 

カフェインと催奇形性の関連について完全には証明されてはいませんが、動物実験では大量にカフェインを投与することで口蓋裂や指奇形の報告があり、催奇形性が指摘されています。

 

妊娠中のカフェインの摂取

カフェインの摂取量の目安

飲料名100g中の含有量
レギュラーコーヒー40~100mg
インスタントコーヒー65mg
缶コーヒー70mg
紅茶50mg
ウーロン茶20mg
煎茶20mg
玉露160mg
コーラ10mg
栄養ドリンク40~50mg

「妊娠・授乳とくすりQ&A 第2版」から引用、作成

 

妊娠初期の1日4杯以上のコーヒー摂取と、低出生体重、早産、奇形との間に関係は認められていなかったとの報告や、1日300mg以下の摂取に限れば、発育遅延の可能性も少ないとする報告もあるので、一般的な食習慣の範囲であれば、カフェインの大量摂取は問題ないと思われます。  

 

まとめ

以上、妊娠中のアルコール・タバコ・カフェインなどの嗜好品の関係について説明してきました。

関連性がはっきりしていないものも多いですが、Mr.Tの個人的見解では妊娠中はすべて禁止した方がいいと思います。

お腹の中の赤ちゃんはもちろん、自分の体もむしばむものばかりです。

 

カフェインであれば日常生活の摂取量であれば問題ないのですが、コーヒーやお茶の飲みすぎで知らない間に大量摂取していた…なんてこともあると思います。

気にしすぎはストレスが溜まって逆効果ですが、妊娠中は赤ちゃんのためを思って一切禁止にした方が安全です。

 

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Mr.T
以下の記事もご覧ください。

 

参考文献:「妊娠・授乳とくすりQ&A 第2版」

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対象者

  • 医師・薬剤師などの医療従事者
  • 登録販売者などの店頭で薬の接客をする人
  • 妊娠・授乳や薬に関して基礎から学びたい人
  • 妊娠・授乳中の服薬に不安がある人

 

妊娠・授乳と薬の関係について基礎からわかりやすく説明されています。

妊娠・授乳中の服薬はかなり難しい問題であり、人によって意見が違ってきます。

添付文書には基本的に服薬はしない方がいいとの記載があるものが多いのですが、実際に気をつけなければならない薬はそこまで多くありません。

現在の状況や体調から判断し、どのように対応すればいいかがわかる、非常に役に立つ一冊となっています。

 

ココがポイント

  • 妊娠と薬に関しての基礎知識が学べる
  • Q&A方式で一つの単元が短い
  • 妊娠・授乳関連の情報収集の仕方を説明

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