薬局・薬剤師

薬局で薬剤師の残業時間を減らす方法について徹底解説【月20時間カット】

2021/10/07(木)

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薬局で薬剤師の残業時間を減らす方法について徹底解説【月20時間カット】

 

薬局で働いてるんだけど、残業時間を減らすように言われてるの。

何かいい方法はある?

 

Mr.T

方法はいろいろあるけど、まずは現状の把握と意識を改革するところから始めたほうがいいよ。

やる気がないと長続きしないからね。

 

こんな方におすすめ

  • 薬局で薬剤師の残業時間を減らしたい人
  • 残業時間を減らす方法を知りたい人

 

残業時間に関してここ最近かなり厳しくなりました。

 

以前は残業を多くしている人が評価される時代でしたが、今は逆で残業をしすぎると国から会社に罰則が下される時代です。

 

また、管理職は残業代が出ず、結果的にサービス残業になってしまうこともあります。

 

残業時間を減らすためには様々な方法がありますが、まずは現状の把握と意識の改革が必要です。

 

Mr.Tが働いている薬局も残業時間が多めで、頑張り屋さんが多かったゆえに残業時間が増えてしまうという状態に陥っていたので、様々な方法を試して残業時間を減らしてきました。

 

結果的に一人当たり20時間の残業を削減できたので、今回は薬局で薬剤師の残業時間を減らす方法について、実際にMr.Tが実践して成功した例を紹介していきます。

 

  ココがポイント

  • 現状の把握
  • 意識の改革
  • 各スタッフの能力の把握
  • 効率化を常に考える

 

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残業時間を減らす方法を実践する前に行うこと

 

この章では残業時間を減らす方法を実践する前に行うことについて説明します。

 

現状を把握する

自分や他のスタッフが現状、どのぐらいの時間を残業に当てているかをしっかりと把握します。

 

中には残業を全くしない人もいれば、月45時間・年360時間のデッドラインを超えそうな人もいます。

 

会社として、薬局としてどれぐらいの残業時間を目安にするのか、どれだけ削らなければならないのか、そのためにはどのような施策を考えなければいけないのかなど、様々なことを考えるために現状を把握しましょう。

 

残業時間が明らかに多すぎるのであれば店舗の人員が足りていない可能性もあります。

 

店舗のトータルの残業時間で経費を計算してみると、人が一人雇える可能性もあります。

 

Mr.T

いきなりゼロにするのは難しいから、少しずつ削っていくために現状を把握して目標を決めよう。

 

スタッフの個々の能力を見極める

スタッフによって能力が違います。

 

ピッキングが得意、投薬が得意、薬歴を書くのが早い…などなど、人によって得意分野が違うのです。

 

薬局を効率的に回すのであれば得意分野に傾倒させる方が効率よく回りますし、結果的に残業時間の短縮にもなります。

 

しかし、偏り過ぎるとスタッフからクレームが来ることもあるのでうまくやりましょう。

 

特に注意して見て欲しいのが薬歴を書くスピード、投薬にかける時間です。

 

ピッキングは時間短縮を頑張ってもそこまで時間を削れませんが、薬歴や投薬は効率的にやればかなりの時間を削れます。

 

Mr.T

特に薬歴はパソコンが苦手な人は遅い傾向があるから、効率的なやり方を教えてあげよう。

 

残業時間を意識させる

一番簡単で一番効果がある対策です。

 

自分が現在どれぐらいの時間残業しているのか、今月はどれだけ残業できるのかを数字を見せて意識させるのです。

 

具体的に数字を見せることによって、自分がどれぐらい頑張らなければいけないのかイメージができます

 

勤怠は電子化している店舗が多いと思うので、責任者に頼めば勤怠の履歴が見れるはずです。

 

上司などの責任者に頼みづらい場合は、自分でExcelなどで記録を残しておくとすぐに見ることができるのでお勧めです。

 

Mr.TはExcelでオリジナルのデータを作り、勤怠時間を入力することで自動で残業時間が算出されるファイルを使っていました。

 

多少、知識は使いますが、作るのにそんなに時間はかかりません。

 

 

効率化できるポイントを常に考える

効率化できるポイントを常に考えて働きましょう。

 

この仕事は省ける、こういう風にすればもっと時間が削れるなど、現在の働き方に疑問を持つことが大事です。

 

当たり前に行っていることなので誰も疑問に思わないことも、冷静に分析してみると効率化できる点が多々あります。

 

Mr.T

当たり前を疑うことから始めよう。

「このやり方が普通」という概念を壊さないと新しいアイデアが生まれないからね。

 

薬局で薬剤師の残業時間を減らす方法

アイデア

 

この章では薬局で薬剤師の残業時間を減らす方法について説明していきます。

 

シフト系

シフトを組み直す

今までのシフトを見直しましょう

 

なるべく残業時間を減らすように、暇な時間に過剰な人数がいないように工夫します。

 

例えば9:00開局だとして、9:00からいきなり忙しい薬局はそこまで無いと思います。

 

9:00から薬剤師2人スタートを1人にして、もう一人は9:30スタートにし、後ろの時間を長くするなどの工夫もできます。

 

忙しい時間帯、暇な時間帯を分析してみましょう。

 

上司のシフトを変更する

Mr.Tがお休みの日は上司が代わりに入ったいたのですが、この上司は自分の残業のことしか考えず、後輩に仕事を押し付けて先に帰るような上司でした。

 

また、後輩を1人残してしまうとどうしても後輩の仕事が増え、残業が増えてしまうという事態がなかなか改善しないという状態。

 

中には周りの目が無いと仕事をサボってしまう人もいますので。

 

以上のことより、上司のシフトを変更しました。

 

後輩と上司のシフトを逆にし、後輩を先に帰らせるようにシフトを組むことで、Mr.Tと一緒に仕事をしているときは後輩は残業しないのに、上司と一緒に仕事をしているときは残業が発生するという事態を解消することができました。

 

残業時間を削減するにはこのようなシフトを組むしかないと上司を説得しましたが。

 

以上の例は極端な例で、店舗や上司によって変わってくるので使えるかどうかはわかりませんが、どの曜日、どの時間帯で残業が発生してしまうのか分析することも重要です。

 

Mr.T

暇な時間帯に人数が多くても無駄だしね。

混む時間帯、暇な時間帯を分析するのも重要だよ。

 

調剤系

自分はフォローに回る

薬局によって人数や役割が違うので難しいと思いますが、Mr.Tは主にフォローに回っていました。

 

受付・入力のメインは調剤薬局事務、調剤・投薬のメインは薬剤師ですが、どうしても忙しいときは薬剤師も受付・入力をしなければなりません。

 

Mr.Tは調剤にメインで入るのではなく、状況を見ながら受付・入力も行い、調剤も投薬もオールマイティーにこなすようにしています。

 

長年一人薬剤師でやっていた成果がこのような状況でも発揮できるのです。

 

調剤でメインに必ず薬剤師を一人置きますが、どうしても投薬に時間がかかってしまい、調剤が滞ってしまう時間も多々あるでしょう。

 

そんな時はMr.Tがメインに切り替わります。

 

また、入力に時間がかかり、処方箋が溜まってしまうのであれば自分が入力のメインになります。

 

このように臨機応変に動ける薬剤師を一人置いておくと非常に効率よく回るようになります。

 

以上のように動けるように、オールマイティーにこなせるような新人・中途を育成しています。

 

 

動きが遅い人は投薬に回す

ドラッグストアの調剤では店舗によりますが、薬剤師が受付・入力をしなければならない場合があります。

 

また、異動が多いので様々な薬剤師と一緒に働かなければなりません。

 

その中でも得意・不得意があり、レセコン入力が苦手な人が結構います。

 

調剤が止まってしまうので、苦手な人にレセコンを任せるわけにはいきません。

 

そこで、どうしても早く動けない人は投薬に回しましょう

 

投薬に時間がかかる人もいますが、その他のことをまかせるより、投薬に回した方が効率的です。

 

その代わり、その他の仕事はすべて自分が行います。

 

 

発注の工夫

発注は毎日行わなければなりません。

 

店舗によって発注の方法が違うので店舗によりけりだと思いますが、発注の方法や時間帯を改善することで時間の節約になります。

 

自動発注でパソコンが勝手に発注できるシステムもあるので使いこなせれば有効でしょう。

 

しかし、Mr.Tの薬局は面でやっていて、Mr.Tがよく出る、出ない薬などの在庫関連はすべて頭に入っていて、瞬時に発注する・しないの判断ができるので空箱発注を採用しています。

 

手が空いた時に発注をする、この時間になったら必ず発注業務をするなどと決まり事を決めておけば発注し忘れがなくなり、業務終わりに全部自分がやらなければならないという事態を防げます。

 

Mr.T

「動きが遅い人をどのように活用するか」が管理者として考えなければならないところだね。

だからこそ管理薬剤師は自分以外も見ないといけないんだ。

 

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薬歴系

薬歴入力の負担を減らす

薬歴の時間が一番ネックでしょう。

 

基本は投薬したらすぐに書くのが理想ですが、忙しいと薬歴が溜まってしまい、溜まった薬歴を見てウンザリ…やる気が出ないという人が多いです。

 

現在は電子薬歴の薬局が多く、音声認識機能を利用している薬局が多いのではないでしょうか?

 

文字入力に関しては、工夫をすればかなりの時間を削ることができます。

 

薬歴に関しては定型文をあらかじめ作っておくこともできます。

 

例えば高血圧の患者さんに関してはMr.Tは必ず

 

血圧の下がり過ぎによるめまい、ふらつきに注意してください

 

といった内容を必ず指導し、薬歴にも記載します。

 

毎回、同じ内容を一から入力するのは面倒だし、時間のムダです。

 

パソコンが無い薬局は無いと思うので、「単語の登録機能」などで定型文を登録してしまいましょう。

 

薬歴だけでなく、よく使うメールの定型文を作ることにも活用できるので、入力に関してはかなりの時間を削ることができます。

 

 

集中して薬歴を書く時間を作る

薬歴は投薬中に書き、投薬が終わったらすぐに完成させるのがベストですが、なかなか現場の意見だと難しいです。

 

溜まった薬歴を一気に片付ける人が多いのではないでしょうか?

 

Mr.Tが働いている薬局では、スタッフの就業時間に合わせて薬歴を集中して書く時間を作っています

 

例えば17:00終わりであれば16:30からは薬歴のみに集中してもらいます。

 

この時間帯はMr.Tがその人の穴を埋めるフォローをします。

 

上記で説明した「個々の能力を見極める」ことが役に立ってくるのです。

 

薬歴入力が早いのであれば多くの時間を取る必要はなく、遅い人は多めの時間を作らなければなりません。

 

現在、薬歴が何枚残っているのか、この人の能力では何分で何枚書けるのかという能力を理解していなければいけません。

 

Mr.T

どれだけ薬歴の時間を減らせるかが、残業時間を減らすカギになってくるよ。

 

やらないことを増やす

仕事は無限に増えていくので、すべてこなすことは不可能です。

 

優先順位をつけて上位からこなしていき、やらないことを決めて増やしていきます。

 

しかし、やらなければならないことは絶対に行わなければなりません。

 

すべて自分がやるのではなく、スタッフと仕事を共有、お願いをしましょう。

 

時間を作り出すための方法はこちらをご覧ください。

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薬局で残業時間を減らした弊害

 

この章では薬局で残業時間を減らした弊害について説明します。

 

上記で残業時間を減らす方法を紹介しましたが、時間を削った分、弊害も出てきました。

 

教育する時間が減った

仕事を効率的に行い、残業時間を減らすのは理解できるのですが、教育に当てる時間を削られたのが正直痛いです。

 

新人教育だけでなく、管理薬剤師になるための教育をしなければならないし、一人薬剤師として働けるような教育もしなければなりません。

 

しかし、会社や本部は現場のことを理解していないので、必要最低限のマニュアル通りの教育しかさせません。

 

教育をする本人の了承を経て残業時間で教育をしたり、わからないことを質問してもらったりなどと有効に活用していたのですが、できなくなりました。

 

調剤で忙しい合間にゆっくりと教えることができないので、残業といった形で個々のレベルアップを図っていたのですが、それもできなくなりました。

 

Mr.T

嫌々残業させることは絶対にしなかったけど、残業してでも教えてほしいという後輩もいたんだ。

 

ドラッグストアの教育については以下の記事をご覧ください。

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給料が減った

当たり前のことなのですが、仕事をする時間が減ったので給料が減りました。

 

正直な話、お金を稼ぐために残業をたくさんしている人も中にはいます。

 

時間を増やして仕事の効率が落ちたり生産性が低くなるのは言語道断ですが、生活の為に一生懸命働いている人もいます。

 

残業ができなくなったことで生活できなくなり、退職していった優秀な人もたくさん出てきました。

 

薬剤師は生きていくためにはそこまで影響はしないぐらい給料はもらえていると思いますが、ドラッグストアでは様々な職種の人が働いており、給料もそれぞれです。

 

社員か、パートかでも変わってくるので一概には言えませんが、人それぞれの事情があり、残業をしないようにした結果やめていった人もいるのが事実です。

 

Mr.T

優秀な人はどこでもやっていけるから、別にやめても困らないんだよ。

会社に必要な人材は優秀な人よりイエスマンだからね。

 

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仕事が雑になった

性格にもよると思いますが、Mr.Tはどうでもいいことに対しては仕事が雑になりました。

 

患者さんやお客さんに対しては以前と変わらず丁寧に対応しているつもりですが、会社に対してや自店で管理するもの、そこまで重要でないものに関しては扱いが雑になっていると感じます。

 

必要最低限のレベルで済ませることにしました。

 

会社が残業時間減らせ、やらないことを決めろと指示を出しているので文句を言われる筋合いはないと開き直っていました。

 

Mr.T

責任感は大事だけど、ある程度の開き直りは必要だよ。

無理難題を押し付けてくるのは当たり前だし、全部真に受けていたら壊れちゃうからね。

 

対策の結果

 

上記の対策を行った結果、自分やスタッフの残業時間を一人当たり平均で月に約20時間削ることに成功しました。

 

元々残業時間が多かったというのもあるのですが、スタッフ全員で協力し合いながら頑張り、どんどん残業時間を減らしていっています。

 

接客業なのでどうしてもイレギュラーがあり、閉局時間ギリギリに来る患者さんもいますし、粉砕で何種類も撒くなどの時間がかかる調剤もあるので、どうしても残業0は難しいです。

 

当然残業時間で稼ぎたいという反発もありました。

 

それでもなるべく残業を減らし、減らした時間を有効活用しようということで納得してくれましたが。

 

Mr.T

薬剤師は将来、そこまで稼げる職業にはならないと思うんだ。

残業に回していた時間を副業や資産形成に費やした方がいいと思うよ。

 

まとめ

まとめ

 

今回は薬局で薬剤師の残業時間を減らす方法について紹介してきました。

 

最後にもう一度ポイントをまとめます。

 

  ココがポイント

  • 現状の把握
  • 意識の改革
  • 各スタッフの能力の把握
  • 効率化を常に考える

 

会社や店舗によって処方箋枚数や仕事の仕方が違うので、為になる点とまったくならない点が人によって分かれると思いますが、残業について意識をさせるという項目はどの店舗でも有効だと思います。

 

働き方は時代によって変わってきます。

 

昔みたいにキャリア重視で終身雇用というケースはどんどん少なくなっていき、薬剤師も淘汰される時代になっていくでしょう。

 

そんな時代に稼げる手段が薬剤師以外になければ終わりです。

 

残業で稼げなくなった人は副業など他の武器を身につけるのも一つの方法でしょう。

 

Mr.T

残業で稼げなくなったのはツラいけど、逆に言えばもっと自分を磨いたり、他のことに挑戦できるチャンスでもあるんだよ。

上手くいけば本業より稼げるようになるかもしれないしね。

 

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