病院で湿布を一度に63枚以上処方してもらえないって本当?
月に2回以上湿布を貰えないの?
一度の処方で63枚までしか処方してもらえなくなったんだ。
理由があれば64枚以上出してもらえるけど、医師の了承が必要だよ。
一度の処方で63枚制限だから、月2回以上行っても湿布は貰えるよ。
- 湿布の63枚制限について知りたい
- 湿布を64枚以上貰うことはできない?
- 湿布が64枚以上処方されたらどうする?
- 月に2回以上湿布を貰うことはできる?
2022年の診療報酬改定で、一度に処方できる湿布の枚数が63枚になりました。
この63枚制限は一度の処方によるものなので、月に2回以上病院へ行って処方箋を貰う分には関係ありません。
病院に足を運べば64枚以上貰えることになります。
また、一度の処方で64枚以上貰うためには理由が必要で、医師の了承がなければ貰うことができません。
きちんとした理由があれば64枚以上処方することも可能なのですが、医師のコメントや疑義照会もなく64枚より多く調剤してしまうとたちまち返戻になってしまいます。
昔よりレセプトが厳しくなっているのです。
今回はテープ、パップの63枚制限について説明していきます。
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Contents
湿布薬の63枚制限の概要
この章では湿布薬の63枚制限の概要を説明します。
一処方で63枚制限
2022年の診療報酬改定で、一度に処方できる湿布の枚数が63枚になりました。
1枚の処方箋で貰える湿布の上限が63枚ということです。
この63枚制限は一度の処方によるものなので、月に2回以上病院へ行って処方箋を貰う分には関係ありません。
足りなくなってしまったら再度病院へ行けばまた湿布を処方してもらえます。
また、一度の処方箋で64枚以上湿布をもらうこともできますが、64枚以上貰うためには理由が必要で、医師の了承がなければ貰うことができません。
医師が必要と判断すれば64枚以上貰うことができますが、医師に処方箋に理由を記載してもらわなければなりません。
原則として、一度に貰える湿布の数が63枚が上限となってしまったのです。
貼り薬も使い方を間違えると重大な副作用が出ることがあるから、余っても人にあげないようにしてね。
なぜ63枚制限になった?
単純に医療費を削減したいからです。
医療費の適正化・薬剤の適正使用の観点から、今までにもビタミン剤やうがい薬なども改定の対象になっています。
貼り薬はかぶれなどの副作用が多くあげられますが、それほど重篤な副作用は飲み薬より出る頻度は少なく、そこまで危険なものではないという認識が一般的です。
医療費も1~3割なので、たくさんもらっておいた方がお得で、患者さんは使えきれないくらいたくさんもらってしまうという事例がたくさんありました。
結果的に残ったものは友達や家族にあげてしまうという人がたくさんいるのです。
また、使わないで期限切れになってしまうケースも多く、多くの貼り薬が無駄になってしまいました。
このような事態を防ぐためにも貼り薬も改定対象になってしまいました。
もっと詳しく
63枚制限の前は70枚制限だった
2022年度から63枚制限であり、2016年度から2021年度は70枚制限でした。
2016年度以前は制限がなく、いくらでも貰うことができたのですが、貼り薬もついに2016年度から制限がかかってしまうことになってしまいました。
改定の成果は?
出典:厚生労働省
上記の資料は70枚制限のときのものです。
明らかに減ってますね。
成果は出ているようです。
対象となる湿布薬は?
湿布薬と言っても様々なものがあります。
対象となるのは以下の4種類です。
ココがポイント
- 鎮痛
- 鎮痒
- 収斂
- 消炎剤
ただし、専ら皮膚疾患に用いるものは除きます。
気管支拡張剤(ホクナリンテープなど)、医療用麻薬(フェンタニルなど)などは対象外です。
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湿布薬のサイズは関係ない
湿布といっても貼付薬にはテープ剤、パップ剤があり、サイズもたくさんあります。
しかし、種類やサイズに関わらず、一処方で63枚が制限なので、大きいサイズを63枚、小さいサイズを63枚ずつもらうということはできません。
湿布薬63枚制限に関する処方箋・レセプトに記載する事柄
この章では処方箋・レセプトに記載する事柄を例を挙げて紹介します。
処方箋・レセプトに記載する事柄
- 1回あたりの使用量および1日あたりの使用回数
- 投与日数
これだけだとよくわからないので以下に例を挙げてみます。
例1
Rp.1 ロキソニンテープ50mg 63枚
1日2枚
1日1回 膝
例2
Rp.1 ロキソニンテープ50mg 63枚
投与日数 35日分
1日1回 膝
あくまで一例です。
使用量・使用回数と投与日数のどちらかが記載されてあれば返戻になることはありません。
処方せんに記載がない場合も多々あります。
その時は疑義照会をして聞くか、処方せんから判断しても問題ありません。
入力しないと返戻になる可能性があるので、使用量・使用回数と投与日数のどちらかはレセコンに入力しましょう。
実際に返戻になった例も聞いているので、入力漏れには気をつけましょう。
返戻になると処理が面倒だから、必ず枚数とコメントは確認しておこう。
63枚より多く処方されたらどうする?
備考欄に医師のコメントがあればそのまま調剤して構いません。
医師からのコメントは必ずレセコンに入力しましょう。
Mr.Tの経験上、
「複数箇所貼るため」
「次回の受診まで日数があるため」
などのコメントが記載されていることが多いです。
医師のコメントが記載されていなければ疑義照会をしましょう。
64枚以上は必ず医師のコメントが必要だよ。
入力ミスということも考えられるから、必ず確認しておこう。
よく聞かれる質問
湿布の種類ごとに63枚?湿布全体で63枚?
複数の湿布があった場合は、湿布全体で63枚です。
例1
ロキソニンテープ50mg 63枚
モーラステープ40mg 63枚
これはダメ。全量で126枚だから。
例2
ロキソニンテープ50mg 35枚
モーラステープ40mg 28枚
これは63枚以下なのでOK。
1回の処方で63枚が上限なのであれば、何回も病院に行けばいいのでは?
月あたりの枚数の制限は今の所規定されていないので、たくさんもらいたい人は何度も通院するしかないでしょう。
しかし、使用回数や投与日数が病院のカルテや薬局のレセコンに記載されているので、そもそも病院で処方してもらえるかはわかりません。
出し過ぎるとそれこそ返戻になってしまうので、 複数の病院に行っても、お薬手帳から湿布が重複しているとわかると完全な疑義対象です。
支払基金の方はどこの病院に通っているか、どれだけ薬をもらっているかをすべて把握しているので、目をつけられるよりだったら下手なことはしない方がいいと思います。
もっと詳しく
まとめ:原則一度に63枚まで、それ以上は理由が必要!
今回は湿布薬の63枚制限について説明しました。
改定してからまだ歴史が浅いのでこれから更に改定されて厳しくなる可能性もあります。
「1回の処方で63枚以上も使うの?」
と思う人も多いと思いますが、実際には使う人もいます。
ある一部の薬を適切に使わない人たちのせいで様々な制限がかかってしまい、本当に使いたい人にも迷惑がかかってしまうのです。
使う分だけ処方してもらい、余っても他の人にあげることはしないでください。
どのような副作用がでるかわかりません。
薬を適切に使用しなければ自分の健康被害ももちろんですが、診療報酬も改定され、更に厳しくなる可能性がありますよ。
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