今回は新人薬剤師・登録販売者に対するドラッグストアでの接客の上達方法についてです。
ドラッグストアでの接客。
資格を取って新しくドラッグストアで働き始める、または薬剤師・登録販売者の資格は随分前に取得したが、ブランクがある…という人は非常に多いです。
門前や病院で薬剤師経験があっても、ドラッグストアでのOTC(一般用医薬品)の接客は経験が無い人が多いです。
OTCの接客をする上でどのような勉強、アプローチをしていけばいいかわからない人が多いので、今回は新人薬剤師・登録販売者に対するドラッグストアでの接客の上達方法について説明します。
もちろん、新人ではなく、ブランクがある、転職してドラッグストアで働くのは初めてという人にも対応しています。
こんな方におすすめ
- 新人薬剤師・登録販売者
- ブランクがある薬剤師・登録販売者
- OTCの接客の仕方がわからない人
Contents
OTCの接客の何が難しい?
薬剤師・登録販売者のどちらも医薬品の勉強をし、資格を取得しています。
と思う人がいますが、実際の接客となるとできない人が多いです。
実際にOTCの接客のどのポイントが難しいのでしょうか?
商品がたくさんある
OTCは商品がたくさんあります。
「かぜ薬が欲しい」
と一言で言われても、かぜ薬だけで一つのコーナーを作ることができ、症状によって選択する商品も違ってきます。
かぜ薬だけでなく、鎮痛薬・目薬・皮膚薬…
などの多くのカテゴリーがあり、症状に合った商品を選択することが非常に難しいのです。
一つの商品に複数の成分が含まれている
病院からもらう処方箋の薬は基本単剤で、一つの薬に一つの成分しか含まれていません。
一つの薬ではすべての症状をカバーできないので、複数の薬が処方されます。
しかし、OTCでは一つの商品にたくさんの成分が含まれています。
例えばかぜ薬を例にとると、解熱、鼻水、咳、痰、ビタミン剤…
などに効くたくさんの成分が含まれていて、解熱だけでも複数の成分が配合されていることが多いです。
複数の成分が含まれていると飲み合わせの問題が複雑になります。
併用薬が多い人は、飲み合わせの問題でOTCを使うことができない人も出てきます。
また、アレルギーや副作用の問題もあります。
お客さんの安全を守るためにも飲み合わせを判断することも重要な仕事です。
併用薬の上手な聞き取り方法はこちらから⇩
患者がウソをつく? 併用薬の上手な聞き取り方法について徹底解説
受診勧奨をするべきかどうか?
受診勧奨とは、病院に受診をオススメすることです。
ドラッグストアで販売しているOTCは効果がきちんと出ますが、病院でもらう医療用医薬品と比較すると効果が弱いものが多いです。
効果がそこまで強くないからこそ、医師の指示なしで購入することができます。
お客さんからOTCを相談されたときに、OTCでは対処できないケースが非常に多いです。
そのような場合は受診勧奨をしなければなりません。
受診勧奨をするべきか、OTCで対応できるのかを判断できるようになることが非常に難しいです。
受診勧奨をすると怒ったり、がっかりするお客さんがたくさんいます。
病院に行くのが嫌だとか、せっかく相談しに来たのに病院に行けと言われたとか…
それでもドラッグストアで対応できないものはできないのです。
お客さんのその後のことを考えると、早めに病院に受診した方がいいケースはためらわずに受診勧奨をする勇気が必要です。
-
【受診勧奨】薬剤師・ドラッグストアでの適切な受診勧奨の方法や基準について
接客の上達方法
OTCの接客は難しいですが、慣れてしまえばそこまで難しくはありません。
上を見れば果てしないですが、今回は初心者を対象とした接客の上達方法を紹介していきます。
資格は取得しているので、最低限の成分は記憶していると仮定します。
忘れてしまったらすぐに調べて思い出しましょう。
商品の知識を得る
ドラッグストアにある商品を知っていなければ接客や商品のおすすめをすることができません。
まず、自分がいる店舗にはどのような商品が置いてあるかを知りましょう。
会社や店舗ごとに置いてあるOTCは全然違います。
- 会社で推している商品はどれか
- どのような商品が置いてあるか
- 自分が好きな商品はどれなのか
など、商品をたくさん見て、まず商品の知識を入れることが重要です。
品出しや売り場のメンテナンス等、商品をみるチャンスはいくらでもあります。
Mr.Tも入社したての頃はOTCの接客が苦手でした。
特に目薬や皮膚のコーナーはアイテム数が多いのでどれを選べばいいのかわからず…
お客さんがいない時に必死に商品を見て商品名や成分名を覚えました。
お客さんが来ると話しかけられるのが嫌なので逃げてました(笑)
このブログを読んでくれている人は逃げないように頑張りましょう!
積極的に接客する
「接客できるか不安なのに接客するって…」
と思う人が多いと思いますが、OTCの接客はどれだけ経験を積むかどうかです。
お客さんからどのような質問をされるかはわかりません。
中にはベテラン薬剤師でも答えられないような質問をされることもよくあります。
質問に答えられないことや経験のなさを怖がってしまってはいつまで経っても上達しません。
わからなければお客さんに時間を頂き、調べるか他の人に聞いて来ればいいのです。
入社していきなり一人でやれとは言われないはずです。
研修期間中であれば様々な人がフォローしてくれます。
この研修期間中に恥ずかしいとか怖いと言って接客、質問するチャンスを逃すと後々困ります。
時間が経てば経つほど人に聞きづらくなるので、初心者こそ積極的に接客、質問をするようにしましょう。
ベテランの登録販売者が
「授乳中にも使える熱冷ましはどれですか?」
と聞きに来たことがあるのですが、Mr.Tは答えませんでした。
初心者であれば丁寧に教えますが、ベテランなのにこの程度のレベルでは正直勉強不足です。
薬剤師も登録販売者も、試験に受かってからも継続的に勉強しなければ資格をもったただの使えない人になってしまいます。
すぐに質問できる人を見つける・調べる体制を整えておく
上記で初心者でも積極的に接客した方がいいと述べました。
でもやっぱり知識や経験が無いのに接客するのは怖いですよね。
なので、困ったときに頼れる人を見つけましょう。
研修期間中であれば自分より知識や経験がある人が絶対にいるハズです。
ベテランの登録販売者でもわからないことは薬剤師に聞きに来ますし、質問することは恥ずかしいことではありません。
「初心者」という特権を使える時に十分に使うべきなのです。
また、質問できる人が忙しくて手が離せない場合もあります。
そんなときの為にネットや書籍で調べられるように準備をしておきましょう。
実際に使う機会がそこまで無くても準備しておくだけで安心感があります。
ポケットにコンパクトな参考書を忍ばせておき、わからなかったらすぐに調べるというクセをつけておくだけで知識の定着の仕方が全然違ってきます。
また、調べてもわからない場合はメーカーに直接電話で聞くというのも一つの手です。
Mr.Tもよくメーカーに電話します。
最悪、自分で解決できなければ他の人に変わってもらいましょう。
ベテランの登録販売者でも解決できなければ薬剤師に変わってもらうということも頻繁にあるので、他の人に変わってもらうことを恥ずかしがる必要は全くありません。
Mr.Tは今になってもネットで調べることが多いです。
わからないことはわかりません。
本当にそんなことまで知ることが必要?
みたいな質問もたまに来るので。
メーカーにもガンガン電話しますよ(笑)
わからないことはわからないと言える勇気をもつ
これが意外と難しいのです。
新人の薬剤師や登録販売者でありがちなのが、「わからない」とはっきりと言えないことです。
資格者だからすべての質問に答えたい、答えなければならないと思う人が多く、素直にわからないと言えない人が多いのです。
しかし、わからない時に曖昧な解答や誤った解答をお客さんに伝えてしまうと大変危険です。
おすすめしたOTCで健康被害が出たり、曖昧な答えでお客さんの信頼を失う方が悪影響です。
このような対応をしてしまうと二度と店舗に足を運んでもらえなくなるでしょう。
「わからないので調べてきてよろしいですか?」
「少々お時間を下さい」
「他のものに変わります」
これらのワードを躊躇なく言えるようにしましょう。
調べてもわからないことはしょうがないです。
正直にわからないと伝えましょう。
大丈夫です、本当にわからないことは他の店舗の人でも答えられないのですから。
Mr.Tも薬剤師歴は長いですが、
「ちょっと調べてきますね」と言って、ネットや書籍で調べることはしょっちゅうです。
調べてもわからない場合は正直にわからないと言いますし、別に恥ずかしがる必要はありません。
本当にわからないことも多く、すべての質問に答えるのは不可能です。
疑問点はすぐに調べるように
「自分の知識不足でお客さんの質問に答えられなかった」
「この商品の成分が何かわからない」
といった場面に出会ったらすぐに調べて解決しましょう。
知識をアップさせる最大のチャンスなのです。
感情の有無は記憶の定着に役立ちます。
机の上に向かって無の状態でテキストを読むよりも、
「答えられなくて悔しい…」
「この成分は何に効くのか早く知りたい!」
という感情があった方が記憶に残りやすいのです。
Mr.Tも時が経つとたまに思い出すこともあります。
「あの時に接客して答えられなかった質問だな」と。
その時に調べた質問内容が苦い記憶と共に知識の定着に役立つこともあるのです。
質問された内容はメモしておく
OTCの接客中に様々な質問をされますが、質問された内容をメモして整理しておくと役に立ちます。
質問される内容は似たようなものが多いので、一度された質問を再度された場合は確実に答えられるようにしておくと、どんどんレベルが上がってきます。
「どれが一番よく効くの?」
「もっと安いのない?」
「妊娠、授乳中だけどこの薬は大丈夫?」
などなど…
質問内容に対する答えを自分で用意しておきましょう。
Mr.TのOTCの指導方法
ここからはMr.Tが新人やOTCの接客初心者に指導している内容を紹介します。
上記で説明したことを踏まえて以下の順番で指導していきます。
ポイント
- OTCの商品のまとめを読んでもらう
- 売り場に出て、各カテゴリーの説明
- 各カテゴリーの代表的な商品の説明
- 推奨品の説明
- 個人的に推している商品の説明
- 自分だったら何をオススメするか考える
- OTCの売り場に常駐し、接客をする
1.OTCの商品のまとめを読んでもらう
Mr.Tがオリジナルで作成したOTCの商品のまとめを読んでもらいます。
画像をアップしたいのですが、アップすると会社がバレてしまうので控えます…
内容としては各カテゴリーの推奨品や代表的な商品、注意すべき点を簡潔にまとめているだけです。
解熱鎮痛剤で頭痛の例を挙げます。
解熱鎮痛剤:頭痛
- 第一推奨品:ロキソニンシリーズ
- 第二推奨品:バファリンプレミアム
- マスコミ品:イブ、バファリン、ナロン、ノーシン、セデスシリーズ
- プライベート商品の名称
- タイレノールA:妊婦にも使える(医療用:カロナール)
- ピリン系の商品の名称
- その他重要なこと
以上のような項目が他にもかぜ薬、目薬、皮膚薬、漢方…
など、カテゴリーごとに分類してまとめています。
2.売り場に出て、各カテゴリーの説明
各カテゴリーの簡単な説明をします。
ここではサッと見て確認する程度です。
ここは解熱鎮痛剤のコーナー、ここはかぜ薬のコーナーで咳・痰と鼻炎がここで…
みたいな感じで軽く済ませます。
3.各カテゴリーの代表的な商品の説明
1.で読んでもらったまとめを基に代表的な商品の説明をします。
例えば解熱鎮痛剤であれば、
- 一番売れているのがロキソニンシリーズで効き目も抜群で第一推奨品
- 次にバファリンEXが強くて、要指導・一類を除けば効き目がトップクラス
- カロナールと同じ成分のタイレノールA
- 妊娠・授乳中でも安全に使える商品
- ピリン系の医薬品はこれ
などなど…
これら以外にも気づいたことはその都度話していくので、かなり時間がかかりますが、調剤が暇な時間帯にコツコツ指導していきます。
お客さんからよくされる質問なども随時説明していきます。
4.推奨品の説明
会社では推奨品があると思います。
なぜ推奨品になるのかは様々な理由があります。
- 粗利が高い
- 効果が高い
- 会社とメーカーが繋がっている
などなど…
推奨品を販売して上司から文句を言われることはありません。
どれを選べばいいのかわからない、自分の推している商品が無いという場合は推奨品をオススメしても問題ないでしょう。
コンクールなどで選ばれる商品は推奨品になりやすいです。
また、プライベートブランドは医療用医薬品のジェネリックのような形で、成分が同じですが値段が安く、粗利が高いというメリットが多く、推奨品になることが多いです。
もっと詳しく
5.個人的に推している商品の説明
自分が好きな商品や使いやすい商品の説明をします。
例えばかぜ薬は接客する頻度が高いカテゴリーです。
症状に合わせた薬を選択しますが、緑内障や前立腺肥大症を持っているお客さんではほとんどのかぜ薬が使えません。
OTCで鼻炎に効く成分のほとんどに抗コリンの作用があるため、緑内障や前立腺肥大症を持っている患者さんがかぜ薬を飲むと症状が悪化したり、思わぬ副作用が出る恐れがあるからです。
しかし、「病院に行く時間が無いからどうしてもOTCで何とかしたい…」という人にも使えるOTCがあります。
このようなケースにも対応できるように推奨品だけでなく、いくつか選択肢を持つことが重要です。
-
【前立腺肥大症薬一覧】前立腺肥大症の治療薬の使い分けについて徹底解説
6.自分だったら何をオススメするか考える
各カテゴリーの説明、商品の説明を一通り終えたら、自分だったら何をオススメするか考えます。
推奨品はコレ、オススメする商品はコレ、安い商品はコレ、このようなケースにはこの商品…
などと考えられるケースに応じて商品を選択できるようにします。
例えば湿布の相談を受けたときに、あなたは何をオススメするでしょうか?
参考
- 特に何も要望が無い場合→ロキソニンSのテープ・パップ
- 肌が弱く、かぶれやすい場合→肌に優しいサロンパスの刺激マイルドタイプ
- テープ・パップの違いを聞かれたら…
などなどほんの一例ですが、お客さんからされるであろう質問に対して答えられるように、希望に合った商品を選択できるように対策を立てます。
上記でも説明した通りなるべく多く接客をこなし、お客さんから質問を受け、一つずつ答えられるようにしていけば自然と接客のレベルがアップします。
商品を選択できるようになるにはその商品の特徴や成分を理解していなければ選択できません。
成分の勉強やその商品の特徴も一緒に学べるので一石二鳥です。
テープ・パップの違いに関してはこちらの記事から⇩
-
【パップ剤とテープ剤の違い】貼り薬の種類と違いについて徹底解説
7.OTCの売り場に常駐し、接客をする
最後に本番です。
知識、経験不足でもOTCの接客をしてもらいます。
薬剤師であれば調剤室を出禁にし、OTC売り場に常駐してもらいます。
一日何時間と時間を決めるか、一日何人に声をかけて接客するというノルマを決めて取り組んでいます。
ノルマを達成するまでは調剤室には帰ってこれません(笑)。
- わからなければ自分で調べること
- 自分では力不足だと思ったらすぐに呼びに来ること
この2つを約束し、経験を積みます。
いくら知識を入れても実践をしないと成長しないので、やはり実践に勝るものはありません。
焦らず、少しずつ学んでいこう
上記でMr.TのOTCの指導方法を紹介しましたが、人によって指導方法は違うでしょう。
今回紹介した指導方法は正解でも誤りでもありません。
自分に合った勉強方法を探しましょう。
Mr.Tが入社したときは、OTCの指導は上記の1~5までの指導を受けました。
時間があまりなかったのでサラッとでしたが、先輩薬剤師の考えを聞けてとても為になりました。
それをアレンジして現在もOTCの指導をしています。
OTCのまとめを見ると大きく分けて約25種類近くの分類があり、その分類の中でも更に細かく分かれています。
大きなかぜ薬のカテゴリーでもその中でさらに発熱、鼻炎、咳、うがい、トローチ…
などと細かく分かれているので、一つ一つ勉強するのがとても大変です。
早くバリバリ接客できるようになりたいという気持ちはわかりますが、焦らず、ゆっくりと勉強していきましょう。
今日はこのカテゴリー、明日はここと一つずつこなしていけば確実に研修期間中に終わるはずです。
わからないことは積極的に上司に質問しましょう。
選択肢を増やすために商品の知識を増やそう
自分がオススメしたい商品や推奨品をお客さんが買ってくれるとは限りません。
理由は様々です。
「前飲んで効かなかった」
「値段が高い」
などなど…
どのような状況になっても困らないように、たくさんの商品の知識をインプットしておきましょう。
一例ですが、頭痛の症状でロキソニンSシリーズをオススメしたとしましょう。
「ロキソニンは強いから他の商品がいい」→「比較的安全に飲めるタイレノールAをオススメしよう」→「タイレノールAが売り切れている…」→「アセトアミノフェン単剤の商品はどれだ?」→「プライベート商品も売り切れている…」→「ラックル速溶錠はアセトアミノフェン単剤だからこれを紹介しよう!」
ラックル速溶錠はパッケージに「腰痛神経痛に早く効く」と記載されています。
パッケージを見ただけでは、お客さんは腰痛と神経痛にしか効かないと思います。
しかし、アセトアミノフェンは痛み全般に効くので、腰痛神経痛はもちろん、頭痛にも効きます。
成分をしっかりと理解していれば、今まで知らなかった商品をオススメすることもできます。
薬剤師・登録販売者の腕の見せ所ですね。
今、紹介した例は実際にあった事例です。
コロナワクチンの接種が進み、店頭からアセトアミノフェン製剤がなくなってしまった時に起こった事例です。
タイレノールAやプライベート商品はアセトアミノフェン単剤と知っている人が多いからかすぐに店頭から姿を消しましたが、ラックル速溶錠はアセトアミノフェン単剤だと知っている人が少なかったのか、在庫が残っていました。
実際、Mr.Tの店舗にいる薬剤師や登録販売者の中でも知っている人が少なかったです。
時間があったら普段オススメしない商品も手に取って成分を確認しておくといつか役立つ日が来るでしょう。
プラスワンの接客をできるようにしよう
ある程度OTCの知識をインプットし、接客に慣れてきたらプラスワンの接客をできるようにしましょう。
プラスワンの接客とは、お客さんが求めていること以上の商品や情報を提供することです。
例えばかぜ薬を買いに来たお客さんにかぜ薬を紹介し、かぜ薬以外にも栄養ドリンクや喉のスプレー、トローチなどを紹介することができます。
中には無理に押し付けているようで紹介しにくい…という人もいますがそんなことはありません。
のどの痛みに困っているお客さんは少しでも症状を緩和させたいと思っています。
かぜ薬だけでなく、のどの炎症を抑えるスプレー、喉を乾燥や炎症から守るためにのど飴やトローチを使えば喉の痛みを緩和させることができると教えてあげれば、逆に感謝されます。
購入するかどうかはお客さん次第なので、情報を提供するだけであればそこまでお客さんは迷惑だとは感じません。
上手く伝えることができれば店舗の売上もアップしますし、お客さんにも喜んでもらえます。
OTCの接客は難しくない?
上記で散々OTCの接客は難しいようなことを述べましたが、ある程度の知識と経験を積めばそこまでOTCの接客は難しくありません。
理由は、OTCを求めているお客さんはOTCを購入しようと思って来店しているからです。
他の接客業では、買うかどうか迷って結局買わないという選択をするケースが多いです。
しかし、OTCでは今ある症状を一刻も早く何とかしたいと思って来店するので、既に何かを買うと決断してきているのです。
しかし、商品の知識が無く、商品がたくさんあるのでどれを選べばいいのかわからない。
そのお手伝いをするのが薬剤師・登録販売者の仕事です。
商品の選択のお手伝いをし、背中をポンッと軽く押してあげ、どの商品を購入するかどうかの決断を助けてあげる。
このようなイメージですね。
頑張って売ろうとしなくても適切な説明をすればOTCは売れます。
知識と経験が増えるとOTCの接客は面白くなる
最初はチンプンカンプンでも知識と経験を積めばOTCの接客は面白くなってきます。
一つ一つの知識が徐々につながり始めると、選択の幅が広がります。
例えば湿布薬を相談されたときに貼り薬だけでなく、痛みの度合いによっては鎮痛剤やサポーターの提案もできます。
目薬であれば様々な成分が配合されている高額な目薬があり、お客さんが高いと渋れば値段が安い目薬を選択することができ、疲れ目であれば錠剤のビタミン剤などのオススメもできます。
書籍で勉強するとカテゴリーで区切られていますが、知識がついてくるとカテゴリーの枠を飛び出し、連結させることもできるのです。
ファンがつくと度々来店してくれるようにもなるので、自分がオススメした商品が正解だった、お客さんの役に立ったと実感を得られることもOTCの接客のメリットです。
登録販売者の資格を取ろうと思っている人へ
今回、新人の薬剤師・登録販売者を対象とした接客の上達方法を述べましたが、以下のような方にも参考になります。
- これからドラッグストアで働きたい
- ドラッグストアで働いているけど登録販売者の資格を持っていない
- 登録販売者の資格を持っていないビューティーアドバイザーや調剤事務
ドラッグストアで働くうえで登録販売者の資格は必須になってきます。
特に社員で働き、昇給や昇進を狙っている人は登録販売者の資格は必須であり、ないと話になりません。
また、ビューティーアドバイザーや調剤事務も登録販売者の資格を取るように促されます。
資格を取ると手当がつくので給料もアップします。
転職する際にも有利に働くので、早めに取得しておきましょう。
▼ユーキャンの詳細、通信講座の比較記事は以下からご覧ください。
まとめ
注意ポイント
- OTCの接客は、最初は難しいが知識と経験を積めばそこまで難しくない
- 経験不足でも積極的に接客しよう
- わからなければ上司に質問しよう
- わからない時はわからないと言える勇気を持とう
- 選択肢を増やすために様々な商品を勉強しよう
- プラスワンの接客ができるようにしよう
長々と説明しましたが、できるだけ多く接客をこなしていけば自然とレベルは上がりますよという話です。
書籍で勉強するのも大切ですが、OTCの初心者だと書籍で説明している商品や成分が店頭に置いてある商品と結びつかないこともあり、なかなか難しいこともあります。
積極的に接客し、わからないことを書籍などで調べながら勉強していくと効率的でしょう。
だからと言って書籍での勉強をしなくてもいいというわけではありません。
書籍での勉強も大切です。
自分が知らない、気づかなかった知識を教えてくれます。
実際にMr.Tが使っているOTCの書籍の一部を以下で紹介しているので参考にしてみてください。
-
OTC
たくさん勉強、接客をし、信頼される薬剤師・登録販売者を目指しましょう。
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