こんにちは。Mr.Tです。
今回は睡眠改善薬についてです。
睡眠改善薬。
「睡眠薬ください」
「これ(病院からもらった睡眠薬)と似たような薬ちょうだい」
ドラッグストアに勤めていると誰もが経験する質問です。
はっきり言います。
「ドラッグストアで睡眠薬は売っていません」
睡眠薬は医師から処方箋を出してもらわないと手に入れることができない薬です。
使い方を誤ると重篤な副作用が出る恐れがあります。
適切な使い方であれば害はないのですが、使い方を誤ると依存性(薬に頼らないと眠れない)や離脱症状(服用中止、減量で病的な症状が現れる)などが現れることがあります。
一度睡眠薬を使い始め、長期で使っていると服用を中止することも難しくなってしまいます。
なので、医師・薬剤師の指導の下、正しく服用しなければならないのです。
しかし、ドラッグストアにも睡眠に関する薬は販売されています。
ドラッグストアで販売されている睡眠に関する薬は「睡眠改善薬」という分類で販売されています。
「睡眠薬」と「睡眠改善薬」は何が違うのでしょうか?
今回はこの2つの違いとドラッグストアでも購入可能な睡眠に関する薬、サプリメントについて解説していきます。
睡眠薬として使われるトランキライザーについての記事はこちらから⇩
メジャートランキライザーとマイナートランキライザーの違いと代表的な薬ついて徹底解説
睡眠薬
- 処方箋がないと出してもらえない薬
- ベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系、オレキシン受容体遮断薬、メラトニン受容体作動薬の4種類がメイン
- 抗不安薬などが睡眠薬として使われることもある
- 効果が強力だが、使い方を誤ると重大な事故につながる
睡眠改善薬
睡眠改善薬のメインの成分は「ジフェンヒドラミン」という成分です。
風邪薬などに鼻炎対策として配合されていることが多いですが、睡眠改善薬として使われることがあります。
ジフェンヒドラミンのメインの作用は鼻炎ですが、副作用として眠気が出ることがあります。
この眠気の副作用を逆に利用して睡眠改善薬として使われています。
ココがポイント
- ドラッグストアで購入可能
- ジフェンヒドラミン塩酸塩という成分がメイン
- 風邪薬やアレルギーの薬などにも含まれている。
- ジフェンヒドラミン塩酸塩の眠くなる副作用を利用している
- 有名なのはドリエル
その他の睡眠に関する漢方、サプリメント
漢方
- 黄連解毒湯(体力中等度以上で、のぼせ気味で顔色が赤く、いらいらして落ち着かない傾向の方の不眠症、神経症など)
- 柴胡加竜骨牡蛎湯(体力中等度以上で、精神不安があって、便秘などがある方の高血圧の随伴症状(不安、不眠など)、神経症など)
- 三黄瀉心湯(体力中等度以上で、のぼせ気味で、精神不安、みぞおちのつかえなどある方の高血圧の随伴症状(のぼせ、不安、不眠など)、更年期障害など)
- 加味帰脾湯(体力中等度以下で、心身が疲れ、血色が悪い方の不眠症、精神不安など)
- 加味逍遙散(体力中等度以下で、のぼせ感があり、肩がこり、疲れやすすく、精神不安などがある方の不眠症、更年期障害など)
- 帰脾湯(体力中等度以下で、心身が疲れ、血色が悪い方の不眠症、精神不安など)
- 酸棗仁湯(体力中等度以下で、心身が疲れ、精神不安などがある方の不眠症、神経症など)
- 抑肝散(体力中等度をめやすとして、神経がたかぶり、怒りやすい、イライラなどある方の不眠症、神経症など)
- 柴胡桂枝乾姜湯(体力中等度以下で、冷え症、貧血気味、神経過敏などの方の不眠症、神経症など)
以上のような漢方がありますが、即効性はありません。
体質を改善し、徐々に眠りにつきやすい体質に近づけるのが漢方の特長です。
サプリメント
ネルノダ
睡眠の質を高める効果があるGABAが含まれています。
グリナ
睡眠の質を高める効果があるグリシンが含まれています。
サプリメントなのでそこまで効果は期待できません。
もちろん劇的に改善したという人もいますが、薬に比べると効き目は弱いです。
まとめ
ココがポイント
- 睡眠薬はドラッグストアでは販売することができない
- 睡眠薬と睡眠改善薬は違う薬
- ドラッグストアで購入可能な商品は睡眠改善薬、漢方、サプリメント
- 睡眠改善薬は睡眠薬ほどではないが効き目は期待できる
- 漢方は体質改善を狙っているの即効性はない
- サプリメントは薬ではないので効き目は強くはない
以上、睡眠に関する薬、サプリメントについて説明しました。
すぐに眠れるようになりたいが、病院に行く時間がないという人は睡眠改善薬を選択するとよいでしょう。
しかし、上記でも説明したようにジフェンヒドラミン塩酸塩は風邪薬やアレルギーの薬にも含まれている成分なので、併用薬に注意しなければなりません。
また、緑内障、前立腺肥大症を持っている人は服用してはいけません。
併用薬、持病がある人は飲んでもいいか薬剤師に相談しましょう。
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