こんにちは。Mr.Tです。
今回は低血糖症状についてです。
低血糖症状。
糖尿病の薬を飲んでいる患者さんは必ず薬剤師から言われる一言。
「低血糖症状に注意してください」
低血糖症状は血糖降下薬の中で起こりやすい副作用ですが、起こらない人もいます。
低血糖症状を知らずに 「低血糖症状はありません」 という患者さんもたくさんいます。
下がりすぎると、昏睡状態になる恐れがあるほど怖い副作用なのです。
血糖値の数値によって症状が変わってくるので、数値別に低血糖症状について解説していきます。
Contents
低血糖の症状
低血糖の症状
血糖値(mg/dL)
- 60~45mg/dL:発汗、手指振戦、動悸、不安感、顔面蒼白、頻脈
- 45~30mg/dL:頭痛、空腹感、生あくび、眼のかすみ、傾眠
- 30mg/dL以下:昏睡
60~45mg/dL
- 発汗
- 手指振戦
- 動悸
- 不安感
- 顔面蒼白
- 頻脈
以上のような症状が現れます。
血糖値の低下によりインスリン拮抗ホルモンであるカテコールアミンの分泌が上昇し、上記のような交感神経刺激症状が出現します。
45~30mg/dL
- 頭痛
- 空腹感
- 生あくび
- 眼のかすみ
- 傾眠
以上のような症状が現れます。
脳・神経細胞の代謝が低下し始め、上記のような中枢神経症状が出現します。
30mg/dL
・昏睡
血糖値が下がりすぎ、30mg/dL以下まで下がると昏睡状態に至る可能性があります。
低血糖の原因
- 過剰な経口血糖降下薬
- 過剰なインスリン製剤
- 少なすぎる食事
- 激しい運動
以上のような原因が考えられます。
薬の量が多すぎたり、食事を抜いたり、または激しい運動をすることで血糖値のバランスが崩れてしまい、低血糖症状を引き起こしてしまうのです。
普段の生活バランスはとても大事です。
規則正しい生活リズム・食事・運動を心がけ、血糖値を気をつけながら生活すればいきなり低血糖症状になることは少なくなります。
低血糖に関する記事はこちらから⇩
ピボキシル基を持つ抗生物質で低血糖になる理由について徹底解説【低カルニチン血症】
低血糖の治療
経口摂取可能な場合
ブドウ糖(5~10g)またはブドウ糖を含む清涼飲料水(150~200mL)を飲んでください。
経口摂取不可能な場合
家族や友人による応急処置が基本です。
ブドウ糖や砂糖を口唇と歯肉の間に塗り付けてください。
αグルコシダーゼ阻害薬(ベイスン、グルコバイ、セイブルなど)服用中の患者の低血糖では、砂糖(ショ糖)などの二糖類では吸収が遅れるため、必ずブドウ糖を摂取させてください。
血糖値とHbA1c
今回紹介した数値は「血糖値」です。
糖尿病を診断する指標として血糖値とHbA1cがあります。
血糖値
血糖値は血液中のグルコースの濃度のことです。
患者の体調や食事、検査のタイミングによりばらつきがあります。
測定する前に甘いものを食べたり、糖分の高いものを触った手で測定すると必然的に高くなります。
量るタイミングによって数値の上下が激しいので、低血糖症状が起こったときに測定するとすぐに下がりすぎていることがわかります。
HbA1c
HbA1cはヘモグロビン(Hb)にグルコースが結合した糖化ヘモグロビン(グリコヘモグロビン)のことであり、過去約2ヶ月の平均血糖値を反映する指標です。
血糖値とは違い、HbA1cは過去約2カ月の平均なので、血糖値が下がりすぎてもHbA1cはすぐには下がりません。
血糖値は自宅でもすぐに測定できる測定機器が販売されています。
下記リンクに貼っておきますので、参考にしてみてください。
まとめ
低血糖の症状
血糖値(mg/dL)
- 60~45mg/dL:発汗、手指振戦、動悸、不安感、顔面蒼白、頻脈
- 45~30mg/dL:頭痛、空腹感、生あくび、眼のかすみ、傾眠
- 30mg/dL以下:昏睡
血糖値が下がるにつれて以上のような副作用が低血糖症状として出てきます。
このような症状が出たら素直に医師や薬剤師に相談しましょう。
ブドウ糖はドラッグストアで販売されていますが、薬局にお願いするとタダでくれるところもあります。
Mr.Tの薬局では血糖降下薬を初めて飲む人には必ずブドウ糖を渡すようにしています。
低血糖症状が起こったときにジュースやチョコレートなどでも大丈夫ですが、αグルコシダーゼ阻害薬(ベイスン、グルコバイ、セイブルなど)を服用している人はブドウ糖でなければダメなので薬局でもらえるのであればもらっておきましょう。
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以下の記事もご覧ください。
参考文献:薬がみえる vol.2
4.5
対象者
- 薬剤師・薬学生
- 医師・看護師などの医療従事者
- 薬を深く知りたい人
・代謝系の疾患と薬
・内分泌系の疾患と薬
・産婦人科系の疾患と薬
・血液系の疾患と薬
・免疫・炎症
・アレルギーの疾患と薬
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Vol.2なので、以上の項目が収載されています。
イラストが多めで「病気がみえる」に対応しています。
薬理学は解説が難しい書籍が多いのですが、イラストや図でわかりやすく説明されています。
薬剤師・薬学生には必須の一冊です。
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