テープ起こしをするときに「ケバ取り」をするように言われたんだけど、「ケバ」って何?
ケバ取りをする意味やコツって何かある?
ケバとは会話の中でそれ自体に意味を持っていない言葉や相づち、口癖などのことを言うよ。
会話の中で「えっと」、「あのー」とかはよく出てくるけど、文章にすると邪魔になるだけだよね。
これらのケバを文字に起こすときに削除する作業を「ケバ取り」と言うんだ。
こんな方におすすめ
- ケバ取りについて知りたい
- ケバの種類について知りたい
- ケバ取りのコツ・テクニックを知りたい
テープ起こしでは「ケバ」という表現がよく使われます。
ケバとは会話の中でそれ自体に意味を持っていない言葉や相づち、口癖などのことを言います。
ケバ取りの目的は、音声を文字に起こしたときに読みやすくするためです。
通常の会話ではあまり気になりませんが、「えっと」「あのー」「えー」「うん」「んー」などの言葉を使う人がたくさんいて、これらのケバを文字に起こすときに削除する作業を「ケバ取り」と言います。
上記で簡潔に説明しましたが、今回はテープ起こし・文字起こしのケバ取りの意味やコツについて説明していきます。
この記事を読めば、ケバ取りに関する知識が一通り身につきますよ!
ココがポイント
- 「ケバ」とは会話の中でそれ自体に意味を持っていない言葉や相づち、口癖などのこと
- 文字に起こすときにケバを削除する作業を「ケバ取り」という。
- ケバ取りをすることで文章が読みやすくなる
- ケバ取りにも種類がある
- ケバ取りをする上で注意点やテクニックがある
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Contents
テープ起こし・文字起こしのケバ取りとは?
この章ではケバ取りについて説明します。
ケバとは?
「ケバ」とはあまり聞き慣れない言葉でしょう。
簡潔に説明すると、ケバとは会話の中でそれ自体に意味を持っていない言葉や相づち、口癖などのことを言います。
通常の会話ではあまり気になりませんが、「えっと」「あのー」「えー」「うん」「んー」などの言葉を使う人がたくさんいます。
これらのケバを文字に起こすときに削除する作業を「ケバ取り」と言います。
ケバが残った文章は非常に読みづらいんだ。
ケバ取りの目的は?
ケバ取りの目的は、音声を文字に起こしたときに読みやすくするためです。
一つ例を挙げてみます。
ケバ取り前
- 漫画の中でさ、あのー、あれなんだっけ、『サンデー』じゃなくて、『ジャンプ』だ。『ジャンプ』の中では何が1番好き?
ケバ取り後
- 漫画の中で『ジャンプ』の中では何が1番好き?
かなりすっきりしたことが分かるでしょう。
直接会話の内容に関係のないものはケバとして扱い、削除しました。
「~でさ」「あのー」「あれなんだっけ」「サンデーじゃなくて」この部分は削除しても会話としてつながり、重要ではないのでケバとして扱います。
また、「ジャンプ」という単語が2回出てきますが、1回で十分会話はつながるのでこちらも削除しました。
ケバを削除すると文章がスッキリすることがわかるね。
ケバ取りの注意点
上記で一例を挙げましたが、この回答がすべてに当てはまるわけではありません。
対談や座談会などは、あえてその場の雰囲気や話し手の様子を表現するためにある程度ケバを残すことも必要になってきます。
また、裁判などでは一語一句そのまま文字に起こす必要があるので、ケバ取りはしません。
依頼者の条件によってケバ取りをするかどうか、どの程度ケバをとるのかが変わってくるので注意が必要です。
ケバ取りでよく犯すミスとして、ケバの削除のし忘れ、ケバ取り後の「、」「。」の消し忘れなどがあります。
最終的に見直すときに特に注意するようにしましょう。
消し忘れが多いから注意が必要だよ。
テープ起こし・文字起こしのケバの種類
この章ではテープ起こしのケバの種類を説明します。
ココがポイント
- 意味を持たない言葉
- 頻出する口癖
- 意味を持たない相づち
- 言い直し・言い間違い
意味を持たない言葉
「えっと」「あのー」「えー」「うん」「んー」などの会話には関係のない、意味のない言葉はケバとして扱います。
ケバ取り前
- えっと、前回のワールドカップってどこが優勝したっけ。えー、ブ、ブラジルかドイツだったよね。え、フランスだっけ。
ケバ取り後
- 前回のワールドカップってどこが優勝したっけ。ブラジルかドイツだったよね。フランスだっけ。
「えっと」「えー」「ブ、」「え、」などを削りました。
これらを削っても文章としては成り立ち、すっきりしたことが分かると思います。
「ブ、ブラジル」の言い直しの最初の「ブ」は必要ないので削ります。
意味を持たない言葉を削っても文章には全く影響がないよね。
頻出する口癖
会話の中で出てくる意味を持たない口癖はケバとして扱い、削除します。
例えば「あの」「やっぱり」「まあ」「なんか」「だから」「要するに」などは頻発し、会話の中で意味を持たないのであれば削除しても構いません。
しかし、当然ですが会話の中に影響してくるものは削除してはいけません。
依頼内容によっては、話者や会場の雰囲気を消さないために、ある程度ケバを残すこともあります。
ケバ取り前
- あの、要するにまあ人手不足なんだよね。なんかいつも人が足りてないって言ってるけど、まあどこも足りてないのが現状だからね。
ケバ取り後
- 要するに人手不足なんだよね。いつも人が足りてないって言ってるけど、どこも足りてないのが現状だからね。
「あの」「なんか」「まあ」は口癖として削除しました。
これらは会話の中ではあまり気になりませんが、文字に起こすとかなりの頻度で出てくることが分かります。
また、今回は「要するに」は残しましたが、口癖で「要するに」「だから」などを頻発する人も結構います。
このような場合は単なる口癖なのか、要点をまとめているのかの判断をしなければなりません。
「だから」とか「要するに」とかは口癖なのか、結論なのか判断するのが難しいこともあるよ。
意味を持たない相づち
「うん」「はい」「なるほど」「ああ」などのような相づちは、質問に対する返答であれば残しますが、話を促すための相づちであれば削除します。
会話をしているときはあまり意識しませんが、相づちをすべて文字に起こすと膨大な量になり、非常に読みにくい文章になってしまいます。
ケバ取り前
- A:薬学部ってさ。
B:うん。
A:結構大変なんだよ。
B:あー。
A:なんか授業料高いし。
B:うん、うん。
A:6年間も行かなきゃいけないし。
B:え、そうなの。
ケバ取り後
- A:薬学部って結構大変なんだよ。授業料高いし、6年間も行かなきゃいけないし。
B:そうなの。
かなりすっきりしたことがわかりますね。
Bの会話は最後の「そうなの」意外はすべて削除しました。
削除しても全然違和感のない文章になります。
例
- A:ねえ、僕の話を聞いてくれる。
B:うん。
この場合の「うん」はAに対する返答で、会話を進行させる働きがあるので削除せずに残します。
その単語自体に意味があるのかないのかで判断していく必要があるよ。
言い直し・言い間違い
単純な言い直し・言い間違いは削除する
会話の中で言い直したり、言い間違えたりすることは誰にでもあります。
また、途中で口ごもってしまい、会話が途切れてしまうことも頻繁にあります。
このような場合は正しい言葉を残し、口ごもった言葉や言い間違いの言葉をケバとして削除すると読みやすい文章になります。
ケバ取り前
- 君はしょ、昭和、じゃなくて、平成生まれなんだよね。
ケバ取り後
- 君は平成生まれなんだよね。
口ごもってしまった「しょ」、いい間違えの「昭和、じゃなくて」は削除しました。
これらががなくても文章としては成立し、すっきりしたかたちになりましたね、
ケバ取り前
- 2020年の東京オリンピックって、結局2022年、じゃなくて2021年に開催されたんだっけ。
ケバ取り後
- 2020年の東京オリンピックって、結局2021年に開催されたんだっけ。
「2022年、じゃなくて」は言い間違いとして削除しました。
ただの言い間違いとして意味はないので削除しても話がつながり、問題ないですね。
強調のための言い直しは削除しない
強調するために、同じような言葉を繰り返している場合はケバとして扱わず、そのまま残すようにします。
例
- この漫画はとても滑稽というか、ユーモアがあるというか。
「滑稽」「ユーモア」は似たような意味を持ちますが、これは言い間違えたわけではなく、表現を強調しているのでそのまま残します。
内容が間違っていても訂正してはだめ
テープ起こしをしていると、明らかに話者の内容が間違っている場合があります。
例
- パソコンのあのスライドを作るオレンジのソフトあるじゃん。確かエクセルっていう。
これは恐らく「パワーポイント」のことを言いたかったのだと思いますが、話者は「エクセル」と間違っています。
これは言い間違いではありますが、勝手に話の内容を訂正してはいけません。
このような場合は音声通りに文字を起こし、コメントなどで依頼者に伝えるようにします。
「※「エクセル」は「パワーポイント」のことだと思われますが、そのまま書き起こしました。」
以上のように依頼者に伝えておけば問題ありません。
人間だから間違えることもあるよね。
勝手に訂正せず、依頼者にわかりやすく伝えることが大切だよ。
テープ起こし・文字起こしのケバ取りのコツ・テクニック
この章ではケバ取りのコツやテクニックを紹介します。
聞き取り中に迷ったら書き起こす
音声を聞きながら文字を起こしているときに、ケバかどうかの判断をするのは非常に難しいです。
「あー」「えっと」などの明らかなものであれば削除しても構いませんが、「だから」「要するに」などの口癖は削除してもいいのか、文章につながる言葉なのかの判断が難しいのです。
全ての音声を書き起こし、校正する作業でゆっくり考えながらケバ取りをすればいいので、最初の音声を聞きながら文字を起こす段階では、ケバ取りに迷ったら全て書き起こすようにしましょう。
後から消すのは簡単だから、迷ったら書き起こすようにしよう。
ケバ取りのコツ・テクニック
内容を理解する
音声を聞き取るときに、内容をしっかりと理解していないと正確に聞き取ることができません。
もちろん、ケバ取りにも影響が及んできます。
ここのケバは取ったほうがいいのか、会話に影響が出ないのかなど、会話の内容をしっかりと理解していないと残す、削除する基準が分からなくなり、迷ってしまいます。
一度で全てを理解するのはなかなか難しいので、理解できない場合は何度も聞いて、その会話の内容を理解するようにするとケバ取りもスムーズに行えます。
音声の通りに書き起こし、作文をしない
テープ起こしの基本は音声の通りに書き起こすことです。
あくまでケバ取りは読みやすくするためのものであり、ケバ取りをすることで話の内容が変わったり、雰囲気を壊してしまっては元も子もありません。
テープ起こしを行っていると、会話が重なったり、語尾が聞こえなかったりとなかなか聞き取りが難しい箇所が出てきます。
このような場合に自分で推測して言葉を埋めたくなりますが、これは絶対に行ってはいけません。
上記で説明したとおり、あくまでテープ起こしの基本は音声の通りに書き起こすことです。
勝手に言葉を付け足す、削る、言い方を変えるのは文字起こしではなく、作文になってしまいます。
会話の内容を推測する力は必要ですが、文章を推測して自分で勝手に変更しては絶対にいけません。
ケバ取りによる抜け落としに注意
テープ起こしを行っていると、途中で不自然な言葉や雑談などが入り、会話が中断することがあります。
これらをケバとして削除するのか、残すのかの判断は難しいところですが、基本的には書き起こすようにします。
何度も言いますが、あくまでテープ起こしの基本は音声の通りに書き起こすことです。
不安な場合は依頼者に確認しておいた方がいいでしょう。
語尾を勝手に変えない
文章のルールとして「~です、~ます」「~だ、~である」という語尾は統一するように教わってきたと思います。
文章を書くときはもちろんこのルールに従いますが、テープ起こしでは聞こえた通りに書き起こすので、両者が交じっていても訂正せずにそのまま書き起こします。
例
- この間、病院に行ってきた。結構混んでました。
違和感がありますが、音声がこの通りであれば、このように起こします。
読みやすくしようと思って自分勝手に語尾を変えたり、統一するのはNGです。
また、会話の中では語尾を最後までしっかりと話さないことも多く、話していてもボリュームが低くて聞き取りにくくなることもあります。
このような場合も勝手に推測して付け足したりするようなことは避けましょう。
「このパソコン、使いにくくて。」
上記の分は「~使いにくくて。」で終わっています。
わざわざ「使いにくいです。」のように付け足したりしては駄目です。
方言はそのまま書き起こす
方言はできるだけ音声に忠実に書き起こします。
しかし、その音声の方言が聞き慣れない場合は仕事を断ったほうがいいでしょう。
慣れてくれば問題なく仕事をこなせるようになりますが、初心者は非常に難しいです。
同じ日本語ですが、表現方法が違ったり聞き慣れない言葉がたくさんあるので、まるで外国語を聞いているような錯覚に陥ることがあります。
音声通りに起こす自信がないのであれば最初に試し聞きをしたときに、依頼者に仕事を受けるか断るか相談をしましょう。
テレビとかではよく大阪弁の人がよく出てるから聞き取れるかなと思ったけど、実際に行ってみると細かいところが聞き取れず、非常に苦労したよ。
繰り返しの言葉の整え方
会話の中で同意を示す返事などで、言葉を何回も繰り返すことがあります。
このような場合は依頼者や発注を請け負っている会社の指示に従いましょう。
例えばあるテープ起こしの会社の決まりだと、以下のように2回程度残して、後は削除します。
ケバ取り前
- はい、はい、はい、はい。
ケバ取り後
- はい、はい。
ら抜き言葉、さ入れ言葉
「ら抜き言葉」とは「食べられる」を「食べれる」というように、「ら」を抜いた言葉のことです。
「さ入れ言葉」とは「行わせていただきます」を「行わさせていただきます」というように、「さ」を余分に追加した言葉のことです。
日本語としてはら抜き言葉、さ入れ言葉は正しくないのですが、これらの言葉を含む単語が出てきた場合にそのまま書き起こすのか、正しい言葉に直すのかは依頼者や会社によって異なるので、きちんと指示を受けましょう。
すべての人が正しい日本語を使っているわけではないんだ。
普段の会話の中でも間違って使われている言葉も多いよ。
まとめ:初心者は難しい、プロに見てもらうのが1番
この記事ではケバ取りについて説明してきました。
最後にもう一度内容をまとめます。
ココがポイント
- 「ケバ」とは会話の中でそれ自体に意味を持っていない言葉や相づち、口癖などのこと
- 文字に起こすときにケバを削除する作業を「ケバ取り」という。
- ケバ取りをすることで文章が読みやすくなる
- ケバ取りにも種類がある
- ケバ取りをする上で注意点やテクニックがある
正直、ケバ取りは慣れるまでは非常に難しいです。
これはケバなのかどうか、削除してもいいのかどうか、どの程度残してどの程度削ればいいのか…
などなど、考えることがたくさんあり、独学だと正解が分かりません。
そもそもケバ取りには明確な正解がなく、人によって差が出てきます。
てっとり早く上達するにはプロに添削をしてもらうことです。
添削指導がある通信講座では、このケバ取りを重点的に指導してもらえます。
Mr.Tもたのまなの通信講座で勉強し、めちゃくちゃケバ取りに関しては指導されました。
自信を持って提出しても、プロの目から見るとここがおかしい、こうしたほうがいいということを適切にアドバイスしてくれるのです。
本格的にテープ起こしを始めたいという人には独学よりも質問・添削指導があるたのまなの通信講座がおすすめです。
Mr.Tがたのまなで勉強した体験談や勉強法の記事をのせておくので、興味があったら読んでみてください。
テープ起こしの関連記事
テープ起こしで一番悩むことはケバ取りでしょう。
ケバ取りができるようになれば、テープ起こしの仕事は格段に上達します。
テープ起こしに興味がある、独学だとケバ取りがどうしてもよくわからないという人はぜひ、通信講座でテープ起こしを学んでみましょう。
独学よりはるかに上達が早くなりますよ。
通信講座の比較記事のリンクをのせておくので、興味がある方はご覧ください。