薬学部

【薬剤師国家試験体験談】第100回薬剤師国家試験の体験記

2021/2/25(木)

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卒業

 

Mr.T

こんにちは。Mr.Tです。
今回はMr.Tが体験した、第100回薬剤師国家試験の回顧録です。

 

薬剤師は国家試験を合格しないと薬剤師にはなれません。

現在、薬学部は6年制です。

6年間大学に通い、卒業試験を合格し、やっと国家試験までたどり着くことができます。

国家試験は最後の勝負です。

ここで失敗すると、来年もまた…

という羽目になります。  

 

国家試験の出題科目は以下の通りです。  

 

  • 物理・化学・生物
  • 衛生
  • 薬理
  • 薬剤
  • 病態・薬物治療
  • 法規・制度・倫理 
  • 実務

 

この中で 必須問題理論問題実践問題と3つのパートに分けられます。

各科目ごとに足切りなどもあるのですが、Mr.Tはあまり気にしてませんでした。

というか、試験当日までよく理解してなかったのです。

会場に向かう電車の中で知り合いから詳細を知るという…

 

まぁ、とにかく

 

「全体で65%得点すれば合格だろ?」

 

という気持ちでいました。

全部で345問

65%で225問

 

225問取れば勝ち。

 

225という数字は受験者全員の最低目標です。

この225という数字はいまだに覚えています。  

 

スケジュール

国家試験は2日間の長丁場となります。

以下、簡単にスケジュールを。

 

1日目

1日目① 必須問題試験(90問)
物理・化学・生物、衛生、薬理、薬剤、 病態・薬物治療、法規・制度・倫理、実務

1日目② 薬学理論問題(60問)
物理・化学・生物、衛生、法規・制度・倫理

1日目③ 薬学理論問題(45問)
薬理、薬剤、病態・薬物治療 

 

2日目

2日目① 薬学実践問題(25+25問)
物理・化学・生物、衛生、【実務】

2日目② 薬学実践問題(20+20問)
薬理、薬剤、【実務】

2日目③ 薬学実践問題(20+40問)
病態・薬物治療、法規・制度・倫理、実務、【実務】    

 

詳細はメディセレさんのページで。
薬剤師国家試験概要

 

Mr.Tの戦略・実力  

戦略 

目標

  • 必須問題:80%以上
  • 理論問題:60%以上
  • 実践問題:70%以上

 

必須が基礎的な問題なのでここで貯金を作る。

 

理論が一番難しいので借金はしょうがない。

足切りに気をつけながら、なんとか乗り切る(足切りは50%取っとけば問題ないだろぐらいにしか思ってなかった)

 

実践はめちゃくちゃ難しいというわけではないので70%ぐらいなら取れる。

 

Mr.Tの実力

5段階評価

  • 物理・化学・生物:4 
  • 衛生:4
  • 薬理:3
  • 薬剤:3
  • 病態・薬物治療:2
  • 法規・制度・倫理:2
  • 実務:3  

 

武器がない…

劣等生だったもので…

卒業試験もギリギリで通ってきたので…  

 

とにかく、4で貯金を作り、3でギリギリ65%付近の点数を取り、2はしょうがない、足切りに気を付けて半分取れればいいやという戦略で臨みました。    

 

国家試験前日

2月中旬の最後の模試で180/345(52%)という成績を叩きだす。

 

「さすがにヤバい…」

 

と思い猛勉強。

ラスト3日間はマジで死ぬ気で勉強しました。

その反動がこの日に来ます。

 

「もうやるしかない」

 

と、開き直ってほぼ勉強はしませんでした。

大学で受けさせられた予備校からもらったプリントを流し読みしただけ。

 

次の日の準備をして終わり。 

 

国家試験1日目(会場まで)

電車で会場へ。

一人で行ったため、音楽を聴きながらテンションをあげる。

その時の曲がこちら。  

 

  • 元カレ殺ス
  • さよなら冬美-Euro Mix-
  • だからバイバイ
  • 女々しくて
  • タイムマシンが欲しいよ  

        by ゴールデンボンバー

 

 

今も好きですが、この頃めちゃくちゃハマってたんです。

応援歌では何一つないですね。

 

国家試験行くぞ!」

 

と気合を入れる時の一発目に 「元カレ殺ス」 を聞くのはMr.Tだけではないでしょうか?(笑)

 

しかし、アップテンポで物凄くテンションが上がるんです。

 

内容はとにかく、自分が元気になる曲はすべて自分に対する応援歌だと思います。

 

国家試験1日目(いざ、本番!)  

1日目①
必須問題試験

まずは必須。

ここで80%以上取らないと後が苦しくなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え?ちょっと待って…今年ヤバくない…」

 

 

難しすぎる。

必須の中でも化学、特に有機化学はほぼ満点を取り続けてきたMr.Tが歯が立たない…

そのあとも手ごたえを感じないまま時間だけが過ぎていく…

 

「80%以上取れたのだろうか…」

 

悶々とした気持ちの中で次の科目へ

 

1日目②
薬学理論問題

最初に「物理・化学・生物」。

次に「衛生」 。

 

「は?もうハチャメチャなんだけど!。全然意味わかんねぇ。リード文だけで何ページ使ってんだよ。最初に何かいてたか読み終わったときにはもう忘れてるわ!!!」

 

物理・化学・生物、衛生で貯金を作るMr.Tはこの時点で心が折れました。

 

「あ、マジでヤバいな…」と。

 

難しすぎる。

もう、何解いてるかもわからない…    

衛生が終わった休み時間、半ば放心状態の時に  

 

「最後まで・・・希望を捨てちゃいかん。諦めたらそこで試合終了だよ」

出典 SLAM DUNK/井上雄彦 集英社  

 

 

マジで頭の中に浮かんできました。

本当に苦しいときに助けてくれたのは友達でも親でもなく、先生でもなくSLAM DUNKでした。

 

SLAM DUNK万歳!!!  

安西先生万歳!!!

 

 

もう一度、ゴールデンボンバーを聞きながら気合をいれました。    

次は一番苦手な「法規・制度・倫理」…

なんとか足切りだけは避けなければ…          

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

「え?何コレ?いいの?ホントにいいの?国家試験だよねコレ。引っ掛け?引っ掛け?」  

 

簡単すぎる。  

今まで「法規・制度・倫理」の分野で、できたと実感したことが一度もなかったのにこの時だけ

 

「できた。簡単( ・`ω・´)キリッ」

 

だと思った。  

いつもは合格点ギリギリだったのに、ここだけは80%取ることができた。  

他の科目の点数は一切覚えてないのに、ここのパートだけは唯一覚えている。

それほど自分にとって衝撃的だったのでしょう。

取り敢えず、

 

「メンタルリセットぉーーー」 

 

はい、次。  

 

1日目③
薬学理論問題

最初に「薬理、薬剤」

次に「病態・薬物治療 」 

ここは完全な苦手パート。

点数取れないのはわかってる。

 

足切りにならないように50%以上取れればいいやぐらいで軽く流す。

 

ひとつ前で点数取れて調子乗ってるから、

 

「早く帰りたいなー、早く終わんないかなー」

 

ぐらいの気持ち。

 

今日はこれで終わり。  

実際にここのパートは全然点数が取れてませんでした。

 

病態・薬物治療は足切りギリギリ…

危なかった…

 

国家試験1日目終了

途中までボコボコにされて意気消沈していましたが何とか途中で持ち直し、帰りは意外と

 

「アレ?何とかなるんじゃね?」

 

という気持ちでした。

帰宅後はめちゃイケを見ながら夕食をすまし、特に勉強はせずに早めに寝ました。

ここで初めてラッスンゴレライを知りました。
懐かしいですね(笑)  

 

テスト後に自己採点したり友達とテストについて話し合う人も多いと思いますが、個人的には絶対にやめた方がいいと思います。

次の日もあるんです。

今、自己採点しても無駄です。

明日の勉強した方がためになります。

テストの結果が気になるのはわかります。

もやもやして人に聞きたくなる気持ちもわかります。

でも、大抵落ち込むだけです。

 

「やっぱり違った」
「あそこの問題で間違わなければ」
「こっちの選択しにしておけば」  

 

よほどの自信がない限りは自己採点や試験の結果を振り返るのはオススメしません。

 

早めに寝て明日に備えましょう。  

 

国家試験2日目(試験開始まで)

今日もゴールデンボンバーを聞きながら会場へ乗り込もうとしたのですが、電車で大学の同級生とバッタリ。

本当は一人で行きたかったのですが、そうもいかず、軽く昨日のことを振り返りながら会場へ。

ここで足切りの詳細を聞かされました。(おせーよ!)  

会場へ到着後、何か違和感。

 

「アレ?人少なくね?」

 

1日目の結果で諦めてしまった人が多く、2日目は空席が目立ちました。

Mr.Tの一つ前の女の子も来ませんでした。

 

だからあれほど自己採点はするなと言ったのに。

 

おかげで見晴らしがよすぎて試験官と何回も目があいました。

 

「あの試験管、俺に気があるんじゃね?」

 

とも、思ったりしましたが、自分の中に余裕も少しはあったのでしょう。  

 

2日目のスケジュール 

2日目① 薬学実践問題(25+25問)
物理・化学・生物、衛生、【実務】

2日目② 薬学実践問題(20+20問)
薬理、薬剤、【実務】

2日目③ 薬学実践問題(20+40問)
病態・薬物治療、法規・制度・倫理、実務、【実務】    

↓詳細はメディセレさんのページで。
薬剤師国家試験概要

 

国家試験2日目(いざ、本番!)  

はい、2日目はすべて実践問題のパートなのですが、あまり印象に残ってないのです。

可もなく、不可もなくと言った感じ。

いつも通りかなと。

 

一通り終わった後、ゴールデンボンバー聞きながら帰ったのですが、

 

「受かったな」と。

 

1日目は激動でしたが、2日目はなんかいつも通り。

普通にやって普通に点取って、わからない問題はしょうがないし。

1日目のような波も感じられず、無風で終わりました。  

 

国家試験終了後

帰宅後、最後の大仕事。

 

自己採点。

 

もう、ドッキドキです。

大手予備校の解答速報を見ながら自分の解答をひたすらPCに打ち込む作業。

できていたと思ったところができていなかったり、逆に勘で解いたところが当たっていたり、完全に情緒不安定状態。

だから、1日目の自己採点は絶対にしてはいけない。

すべて打ち込み終わり、最後に「採点ボタン」を押すと運命の結果発表なのだが、なかなか押せない。

人生であれだけドキドキしたことはありませんでした。  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結果:68%  

 

「受かったーーーーーーーーーーーーーー!!!」

 

大きな試験で合格したのは初めての経験でした。

高校受験や大学受験は第一志望を受かったことがなかったので。

すべて滑り止めで受かって当然の所だったので、受かって嬉しいと感じたことはありませんでした。

嬉しいというより、安心。

しかし、今回は初めて「嬉しい」という感情が芽生えました。  

 

そこからは知り合いから

 

「どうだった?」

 

のメールの嵐。

こちらからは聞くことはしないのですが、周りはやはり他人の結果は気になりますよね。      

Mr.Tの周りは結構落ちてました。

試験の難化により、合格点に届かない人が続出。

 

やはり1日目の試験が難しすぎて、足切りに引っかかる人が多かったです。  

しかし、まだ自己採点なので、結果は最後まで分かりません。

マークミスしていたら終わりですし、不適切問題や補正対象問題などで点数が上がる可能性もあります。

結果は3月下旬、大学卒業後です。    

 

合格発表

引っ越し後、新居で合格発表を待ちます。

自己採点では受かっていることはわかっていますが、最後まで何があるかわかりません。

ネットで自分の番号があるか確認します。  

 

「はい、あった。よかった、よかった」

 

表示される前と探していたときはドキドキしましたが、自分の番号を見つけたときはこんな感じでした。

嬉しいというより、安心。

その後、詳細を見てみると、不適切問題や補正対象問題で点数が大幅アップしていたことに気づきました。

補正対象問題は、正答率があまりにも低い問題は全員正解になるというシステムです。

不適切問題と補正対象問題、あわせて14問が無条件で全員正解となるのです。

6年制となってからは異例のことだったらしいです。

 

自己採点の結果は68%でしたが、最終的な結果は70%前半の点数を取ることができました。

受かってしまい、興味がなくなったので正確な計算はしてません。  

大学時代の同級生も

 

「落ちたと思ったが、逆転合格だった」

 

という人が多く、点数調整に助けられた人がたくさんいました。  

だから、最後まで諦めたらダメなんです。

自己採点したらダメなんです。

1日目で自己採点してダメで、2日目は来なかった。

しかし、点数調整でその間違った問題が正解になる可能性もあるんです。

 

この可能性があるとわかっていても、1日目が散々だとわかっていたら2日目のモチベーションを維持するのが難しいじゃないですか。  

2日目に来なかった人が多かったのは事実ですし、1日目に泣きながら試験を受けていた人もいました。

それほど難しい試験だったのですが、受からない試験ではないとも思いました。

全体的にバランスが取れていて、難しい分野は手が付けられないほどの問題もありましたが、他で点数を取れば十分に合格点に届くような試験だったと個人的には思っています。  

 

過去の試験結果はこちら    

 第100回第99回第98回
必須82.0%80.2%86.0%
理論59.5%56.7%64.7%
実践69.9%64.7%69.6%
合計69.9%66.3%72.4%

参考文献:厚生労働省資料

 

合格率と平均点だけでみると第99回が一番難しそうに見えます。

しかし、第99回は今までの傾向からガラリと変わり、いきなり難化したイメージがあります。

いつも通りの国家試験だと臨んで、何も対策をしてこなかった人は相当厳しかったでしょう。

 

Mr.Tは第100回で、第99回から難しくなったと心構えがしっかりとできていたので何とか受かることができました。

恐らく第99回を受けていたら心構えができていなく、いつもの国家試験だと思って臨んで落ちていたと思います。  

 

Mr.Tは1年浪人していたので運も味方につけたと思ってます。  

 

第100回は難しいという心構えが皆さんできていて、第99回で涙をのんだ人たちも臨んでいるので、その分合格率や平均点が高いのだと思います。  

一概にどちらが難しい、簡単だという議論はできませんが、第99回、第100回を合格してきた人たちは相当な猛者だと思ってます。

 

第100回以降は易化したという話も聞きますが、Mr.Tはもうまったく興味がないので合格率や平均点は見てませんし、知りません。

 

最後に

長々と最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

かなり情緒不安定な文章だったと思いますが、試験本番は情緒が安定するわけがありません。

 

ほぼ全員緊張しますので大丈夫です。

あなただけではありません。

 

これから国家試験に臨む薬学生たちに少しでも参考になれば幸いです。 (参考になりそうなところはあまりありませんが…)    

 

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Mr.T

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